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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル52巻5号

2018年05月発行

文献概要

特集 視床出血と理学療法

視床・被殻混合型出血の理学療法

著者: 加賀野井博美1

所属機関: 1内田脳神経外科リハビリテーション部

ページ範囲:P.425 - P.430

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はじめに

 脳出血は出血の部位により,被殻出血,視床出血,皮質下出血,小脳出血,橋出血などに分類され,視床出血は脳出血全体の約35%を占めており,被殻出血に次いで多くみられる出血である1).脳出血の原因としては,高血圧性が80〜90%を占める.高血圧性脳出血は,長期にわたり高血圧にさらされた脳血管が変性してもろくなり,破綻することで発症する.穿通枝動脈などの比較的細い血管に起こりやすく,被殻や視床といった脳の深部に起こる頻度が高い2).そのため,大脳基底核部に原発した血腫が内包を破壊して視床まで伸展したもの,あるいは視床に原発した血腫が内包を破壊して基底核部に伸展した混合型出血となる.混合型出血は,血腫が大きい場合や内包が破壊されているために神経症状が重篤な場合が多い.本稿では右視床部に出血を認め,内包や被殻に伸展,脳室内出血を認めた高齢患者の理学療法を報告する.

参考文献

1)三上 毅:脳出血各論 視床出血 視床出血の病態.日臨72(増刊号7):352-355,2014
2)阿部浩明,他:Contraversive pushingを呈した脳卒中例の責任病巣と経過.理学療法学36:86-87,2009
3)中川 実,他:被殻と視床にまたがった混合型出血の治療成績—混合型出血という分類は不要なのか? 脳卒中38:27-31,2016
4)原 寛美,他(編):脳卒中理学療法の理論と技術.メジカルビュー社,2014
5)森下一幸:内上方に拡がる被殻出血と理学療法.PTジャーナル50:643-652,2016
6)山本幸夫,他:被殻出血にみられる病態.PTジャーナル50:625-631,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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