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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル52巻5号

2018年05月発行

文献概要

オリパラ関連企画 理学療法士が知っておきたい重要なスポーツ動作・5

腰部障害と水泳動作

著者: 成田崇矢1

所属機関: 1健康科学大学健康科学部理学療法学科

ページ範囲:P.444 - P.445

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競泳における腰部障害と発生メカニズム

 水泳選手に多くみられる腰部障害は,① 筋・筋膜性腰痛と呼ばれる筋疲労性の腰痛,② 腰椎分離症,椎間関節障害さらには仙腸関節障害などの関節由来の腰痛,③ 椎間板障害や椎間板ヘルニアなどの椎間板性腰痛に大別される1).これらの発生メカニズムは,上肢で行うストローク動作と下肢で行うキック動作の基盤となる腰部へのメカニカルストレスの繰り返しによる,いわゆる「使い過ぎ症候群」が原因となる2)が,それぞれの病態により原因は異なる.① 筋・筋膜性腰痛の場合は,泳動作中の体幹安定のために背筋群を過剰に用いている可能性が高く,② 関節性の場合は,障害関節部に過度の負荷が加わる泳ぎ方,誤動作,③ 椎間板性の場合,無重力化で椎間板に栄養循環が行われない状態での腰部運動の繰り返しをもととする椎間板変性が影響している.

参考文献

1)金岡恒治:種目別対処法—水泳ドクター編.林 光俊(編集主幹),岩崎由純(編):ナショナルチームドクター・トレーナーが書いた種目別スポーツ障害の診療,第2版.pp58-65,南江堂,2014
2)成田崇矢,他:水泳—泳動作を中心に.理学療法34:365-370,2017
3)成田崇矢:腰痛に対する徒手療法の応用と機能的障害に特異的な運動療法とは? 金岡恒治(編):腰痛の病態別運動療法—体幹筋機能向上プログラム.pp62-81,文光堂,2016
4)Narita T, et al:Critical for the prevention of low back pain in elite junior divers. Br J Sports Med 48:919-923, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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