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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル52巻6号

2018年06月発行

文献概要

特集 地域に広がる心臓リハビリテーション

無床診療所での心臓リハビリテーションと理学療法

著者: 櫻井和代1 笹崎愛1 櫻井繁樹1

所属機関: 1医療法人千心会櫻井医院

ページ範囲:P.513 - P.523

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変貌する外来心臓リハビリテーション

 心臓リハビリテーションは,「心血管疾患患者の身体的・心理的・社会的・職業的状態を改善し,基礎にある動脈硬化や心不全の病態の進行を抑制あるいは軽減し,再発・再入院・死亡を減少させ,快適で活動的な生活を実現することをめざして,個々の患者の『医学的評価・運動処方に基づく運動療法・冠危険因子是正・患者教育およびカウンセリング・最適薬物治療』を多職種チームが協調して実践する長期にわたる多面的・包括的プログラム」と定義されている1)

 心臓リハビリテーションの効果とエビデンスレベルは高く,全身の動脈硬化進行プロセスのあらゆるフェイズに有効な治療であり,急性心筋梗塞,開心術後,大血管術後,慢性心不全,狭心症,末梢動脈疾患において,必ず行われるべき治療となっている2).依然,本来適応となる患者への導入率は低いものの,日本心臓リハビリテーション学会の努力などにより心大血管疾患リハビリテーション料の施設基準が緩和され,ようやく入院中の心臓リハビリテーションを実施する急性期病院が増えていたところである3)

参考文献

1)日本心臓リハビリテーション学会:日本心臓リハビリテーション学会ステートメント.http://www.jacr.jp/web/about/statement/(2018年5月8日閲覧)
2)野原隆司,他:循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2011年度合同研究班報告):心血管疾患におけるリハビリテーション関するガイドライン(2012年改訂版).http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2012_nohara_h.pdf(2018年3月26日閲覧)
3)小川久雄,他:循環器疾患診療実態調査報告書(2016年度実施・公表).http://www.j-circ.or.jp/jittai_chosa/jittai_chosa2015web.pdf(2018年3月26日閲覧)
4)脳卒中,心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会:脳卒中,心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方について,2017.http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000173149.pdf(2018年3月26日閲覧)
5)厚生労働省保険局:都道府県のガバナンスの強化について,2017.http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000163504.pdf(2018年3月26日閲覧)
6)群馬県:第8次群馬県保健医療計画(案),2017.http://www.pref.gunma.jp/contents/100046052.pdf(2018年3月26日閲覧)
7)ぐんま心臓リハビリテーション地域連携研究会ウェブサイト.http://plaza.umin.ac.jp/~gacr/index.html(2018年3月26日閲覧)
8)Howden EJ, et al:Reversing the cardiac effects of sedentary aging in middle age-A randomized controlled trial:Implications for heart failure prevention. Circulation 137:1549-1560, 2018.
9)斎藤雅彦,他:心臓リハビリテーション運動療法の費用対効果—急性心筋梗塞症30例を対象とした後ろ向き比較対照検討.心臓リハ11:167-171,2006
10)内山 覚,他:慢性心不全に対する疾患管理(多職種介入)としての心臓リハビリテーション.心臓リハ13:32-35,2008.
11)後藤葉一:心臓リハビリによる冠疾患二次予防効果の最大化.J Jpn Coron Assoc 23:174-181,2017
12)Ades PA, et al:Cardiac rehabilitation exercise and self-care for chronic heart failure. JACC Heart Faill 1:540-547, 2013
13)Casaburi R, et al:Pulmonary rehabilitation for management of chronic obstructive pulmonary disease. N Engl J Med 360:1329-1335, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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