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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル52巻6号

2018年06月発行

文献概要

特集 地域に広がる心臓リハビリテーション

訪問心臓リハビリテーションと理学療法

著者: 鬼村優一12 古田哲朗1 弓野大3 小針幸子4

所属機関: 1ゆみのハートクリニック訪問リハビリテーション部 2筑波大学大学院人間総合科学研究科 3ゆみのハートクリニック在宅診療部 4ゆみのハートクリニック検査科

ページ範囲:P.525 - P.532

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はじめに

 心臓リハビリテーションとは,「心血管疾患患者の身体的・心理的・社会的・職業的状態を改善し,基礎にある動脈硬化や心不全の病態の進行を抑制あるいは軽減し,再発・再入院・死亡を減少させ,快適で活動的な生活を実現することをめざす」1)と定義されている.その定義から考えると,在宅の場で行うことも例外ではないと考えられる.ゆみのハートクリニック(以下,当院)では,特に心不全患者が住み慣れた自宅で最期まで穏やかに生活できるように,多職種心不全クリニックとしてさまざまな取り組みを行っている.心不全患者に対する訪問心臓リハビリテーションもその取り組みの1つである.

 心不全患者の臨床経過と管理のねらいを図1に示した2).心不全は急性増悪を繰り返しながら徐々に心機能を低下させ最終的に死に至る慢性疾患である.そのため,心不全管理の目標は,① 心機能の低下を可能な限り緩徐にすること,② 急性増悪の頻度を抑えること,③ 急性増悪の程度を抑えることである.よって訪問心臓リハビリテーションも良好な心不全管理に貢献することに寄与しつつ,患者自身が「心不全とともにその人らしく生活すること」をめざしてさまざまな取り組みを行っている.本稿では在宅心不全患者に対する理学療法士による訪問心臓リハビリテーションに関して,症例をまじえて解説する.

参考文献

1)日本心臓リハビリテーション学会:日本心臓リハビリテーション学会ステートメント.http://www.jacr.jp/web/about/statement/(2018年3月22日閲覧)
2)Gheorghiade M, et al:Pathophysiologic targets in the early phase of acute heart failure syndromes. Am J Cardiol 96:11G-17G, 2005
3)Riegel B, et al:The situation-specific theory of heart failure self-care:revised and updated. J Cardiovasc Nurs 31:226-235, 2016
4)Kato N, et al:Insufficient self-care is an independent risk factor for adverse clinical outcomes in Japanese patients with heart failure. Int Heart J 54:382-389, 2013
5)日本循環器学会:心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012年改訂版).http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2012_nohara_h.pdf(2018年3月22日閲覧)
6)日本循環器学会,他:急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年版).
7)Tsuchihashi M, et al:Clinical characteristics and prognosis of hospitalized patients with congestive heart failure--a study in Fukuoka, Japan. Jpn Circ J 64:953-959, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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