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書評 —奈良 勲(編著者代表)—「解剖学・生理学・運動学に基づく動作分析」
著者: 久保晃1
所属機関: 1国際医療福祉大学
ページ範囲:P.543 - P.543
文献購入ページに移動 観察に基づく動作分析能力の修得は,理学療法士に必須であり,学生が臨床実習で最も苦労する課題である.また,駆け出しの頃は対象者の自然な動きの観察ですら難題であり,動作の速さや方向などの複合的な反応の分析となるとお手上げ状態になってしまう.一方,臨床現場の教育者や熟練者ともなるとハンドリングをさらに加えて空間的,時間的反応の変化に対して,五感を駆使して動作分析を展開する.
筆者自身は,己の身体の動きや健常者の分析すらままならないことを幾度となく体験してきた.この体験を経ずして動作分析能力を修得できる学生や理学療法士はおそらく少数派であろう.その訳は,動作分析の統合過程に直感や非科学的要素(信頼性や妥当性の危うさ)が存在するのは,ヒトの動作や歩行,日常生活活動には不確定な要因(その場の明るさや温度などの環境条件,感情など)が含まれていて,それらの要素を含めて仮説検証を実践するためと考えられる.設問の解答に選択肢が提示されていて,必ず正解にたどりつけるわけではないことが動作分析の特徴である.
筆者自身は,己の身体の動きや健常者の分析すらままならないことを幾度となく体験してきた.この体験を経ずして動作分析能力を修得できる学生や理学療法士はおそらく少数派であろう.その訳は,動作分析の統合過程に直感や非科学的要素(信頼性や妥当性の危うさ)が存在するのは,ヒトの動作や歩行,日常生活活動には不確定な要因(その場の明るさや温度などの環境条件,感情など)が含まれていて,それらの要素を含めて仮説検証を実践するためと考えられる.設問の解答に選択肢が提示されていて,必ず正解にたどりつけるわけではないことが動作分析の特徴である.
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