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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル52巻6号

2018年06月発行

文献概要

短報

聴覚リズム刺激を併用した歩行介入が脳性麻痺児の歩行に及ぼす即時効果

著者: 米津亮1 高橋直恵2 竹内歩3 﨑田博之4 脇田媛加4 石原みさ子5 片岡正教1 奥田邦晴1

所属機関: 1大阪府立大学大学院総合リハビリテーション学研究科 2愛仁会リハビリテーション病院リハビリテーション技術部 3大阪府済生会泉尾病院リハビリテーション科 4大阪母子医療センターリハビリテーション部門 5宇治徳洲会病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.581 - P.584

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要旨 [目的]聴覚リズム刺激を併用した歩行介入が脳性麻痺児の歩行に及ぼす即時効果を予備的に検討した.[方法]対象は,4〜10歳の脳性麻痺児6名とし,聴覚リズム刺激ありと聴覚リズム刺激なしの2条件での歩行介入を実施した.その介入前後で10m歩行路を自由な速度で歩行させ,周期時間,歩行速度,立脚期の割合,ステップ長,ストライド長,歩行率を測定した.[結果]聴覚リズム刺激なしの条件では介入前後で立脚期の割合が有意に減少し,歩行速度が有意に増加した.一方,聴覚リズム刺激ありの条件では介入前後において,周期時間,ステップ長,ストライド長が有意に増加し,立脚期の割合と歩行率は有意に減少した.[結論]今回の結果は,聴覚リズム刺激を併用した歩行介入が歩行パフォーマンスの改善に寄与することを示唆する.

参考文献

1)Rodda JM, et al:Sagital gait patterns in spastic diplegia. J Bone Joint Surg Br 86:251-258, 2004
2)Gage JR:Gait analysis in cerebral palsy. Mac Keith Press, London, pp132-150, 1991
3)Thaut MH(著),三好恒明,他(訳):リズム,音楽,脳—神経学的音楽療法の科学的根拠と臨床応用.協同医書出版,pp56-60,77-78,2006
4)Kim SJ, et al:Changes in gait patterns with rhythmic auditory stimulation in adults with cerebral palsy. NeuroRehabilitation 29:233-241, 2011
5)Kim SJ, et al:Differential effects of rhythmic auditory stimulation and neurodevelopmental treatment/Bobath on gait patterns in adults with cerebral palsy:a randomized controlled trial. Clin Rehabil 26:904-914, 2012
6)Kwak EE:Effect of rhythmic auditory stimulation on gait performance in children with spastic cerebral palsy. J Music Ther 44:198-216, 2007
7)Hulley SB(著),木原雅子,他(訳):医学的研究のデザイン—研究の質を高める疫学的アプローチ,第3版.メディカル・サイエンス・インターナショナル,pp179-180,2009
8)エスアンドシー株式会社:S & Cスポーツ科学計測テクノロジー.http://www.sandcplanning.com/category/1778299.html(2018年3月28日閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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