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臨床実習サブノート どうする? 情報収集・評価・プログラム立案—複雑な病態や社会的背景の症例・4
キーパーソンも高齢のパーキンソン病患者
著者: 垣内優芳1
所属機関: 1神戸市立西神戸医療センターリハビリテーション技術部
ページ範囲:P.673 - P.678
文献購入ページに移動はじめに
パーキンソン病(Parkinson disease:PD)は,中脳黒質の変性で神経伝達物質であるドーパミンが不足する進行性疾患です.国内では10万人以上が罹患され,発症頻度は10万人に対して100〜150人であり,高齢者に多いことが知られています1).パーキンソン症候群を呈する疾患には変性疾患(PD,進行性核上性麻痺,多系統萎縮症,大脳皮質基底核変性症,レビー小体型認知症など),薬剤性パーキンソニズム,脳血管性パーキンソニズムの3つがあり,最も多いのが変性疾患であるPDです2).
PDの関連ガイドラインには日本神経学会3)のパーキンソン病治療ガイドライン2011,パーキンソン病診療ガイドライン2018,日本理学療法士協会4)の理学療法診療ガイドライン第1版(2011)が存在します.またPDは難病指定であるため難病情報センター1)によりさまざまな情報が一般公開されています.
本稿では,PD患者の1例を示したうえで,一般的に評価すべき内容や理学療法診療ガイドラインにより推奨度の高い評価項目を挙げながら情報収集・評価・プログラム立案のポイントを紹介します.
パーキンソン病(Parkinson disease:PD)は,中脳黒質の変性で神経伝達物質であるドーパミンが不足する進行性疾患です.国内では10万人以上が罹患され,発症頻度は10万人に対して100〜150人であり,高齢者に多いことが知られています1).パーキンソン症候群を呈する疾患には変性疾患(PD,進行性核上性麻痺,多系統萎縮症,大脳皮質基底核変性症,レビー小体型認知症など),薬剤性パーキンソニズム,脳血管性パーキンソニズムの3つがあり,最も多いのが変性疾患であるPDです2).
PDの関連ガイドラインには日本神経学会3)のパーキンソン病治療ガイドライン2011,パーキンソン病診療ガイドライン2018,日本理学療法士協会4)の理学療法診療ガイドライン第1版(2011)が存在します.またPDは難病指定であるため難病情報センター1)によりさまざまな情報が一般公開されています.
本稿では,PD患者の1例を示したうえで,一般的に評価すべき内容や理学療法診療ガイドラインにより推奨度の高い評価項目を挙げながら情報収集・評価・プログラム立案のポイントを紹介します.
参考文献
1)難病情報センター:パーキンソン病(指定難病6).http://www.nanbyou.or.jp/entry/169(2018年5月22日閲覧)
2)Pezzoli G, et al:An overview of parkinsonian syndromes:data from the literature and from an Italian data-base. Sleep Med 5:181-187, 2004
3)日本神経学会(監):パーキンソン病治療ガイドライン2011.医学書院,pp1-50,2011
4)日本理学療法士協会:理学療法診療ガイドライン,第1版 8.パーキンソン病.http://jspt.japanpt.or.jp/guideline/(2018年5月22日閲覧)
5)水野美邦:パーキンソン病の診かた,治療の進めかた.中外医学社,2012
I]イオフルパンSPECTとMIBG心筋シンチグラフィーとの併用に関する検討.臨神経56:400-406,2016
7)Colosimo C, et al:Some specific clinical features differentiate multiple system atrophy(striatonigral variety)from Parkinson's disease. Arch Neurol 52:294-298, 1995
8)日本循環器学会,他:失神の診断・治療ガイドライン(2012年改訂版).http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2012_inoue_h.pdf(2018年5月22日閲覧)
9)Yoritaka A, et al:Motor and non-motor symptoms of 1453 patients with Parkinson's disease:prevalence and risks. Parkinsonism Relat Disord 19:725-731, 2013
10)日本理学療法士協会:EBPTワークシート.http://jspt.japanpt.or.jp/ebpt/worksheet/(2018年5月22日閲覧)
11)J Hospitalist Network:Journal club. http://hospitalist.jp/journal-club/(2018年5月22日閲覧)
12)Goodwin VA, et al:An exercise intervention to prevent falls in people with Parkinson's disease:a pragmatic randomised controlled trial. J Neurol Neurosurg Psychiatry 82:1232-1238, 2011
13)中西亮二,他:パーキンソン病の障害評価とリハビリテーション.Jpn J Rehabil Med 50:658-670,2013
14)日本呼吸器学会:咳嗽に関するガイドライン,第2版.日本呼吸器学会,pp4-82,2012
15)野﨑園子:パーキンソン病の摂食・嚥下障害.医療61:99-103,2007
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