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特集 ジェネラリストとスペシャリスト 理学療法におけるジェネラリスト・スペシャリスト
1.理学療法の専門性確立とその育成
著者: 佐藤房郎1
所属機関: 1東北大学病院リハビリテーション部
ページ範囲:P.703 - P.709
文献購入ページに移動筆者が34年前に理学療法士として仕事に就いた頃は,全国の理学療法士数がやっと1,300人を超えた状況で,リハビリテーション部門を有する医療施設も限られていた.当然,社会的認知度は低く,会合で予約した店の歓迎ボードには「リハビリステーション御一行様」や「PTA様」と書かれ失笑した思い出がある.医学部においてもリハビリテーションの講座を有する大学は少なかったことから,積極的にリハビリテーションを導入する医師も多くはなく,重度な合併症をつくってから処方される印象があった.
一方,数少ない理学療法士にはジェネラリストとしてあらゆる疾患に対応することが求められていたが,特定の領域に秀でた先輩の後ろ姿を追いかけ,いつしか得意とする領域を確立しようと取り組んでいたように思う.あらためてジェネラリスト・スペシャリストについて問われると,双方を追い求めてきた感がある.本稿では,スペシャリストを理学療法の専門分化と捉え,医療制度の変遷と日本理学療法士協会の取り組みを踏まえ,現行の医療システムに答えるべく理学療法の専門性確立とその育成について概観してみたい.
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