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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル52巻8号

2018年08月発行

文献概要

特集 ジェネラリストとスペシャリスト 理学療法におけるジェネラリスト・スペシャリスト

1.理学療法の専門性確立とその育成

著者: 佐藤房郎1

所属機関: 1東北大学病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.703 - P.709

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はじめに

 筆者が34年前に理学療法士として仕事に就いた頃は,全国の理学療法士数がやっと1,300人を超えた状況で,リハビリテーション部門を有する医療施設も限られていた.当然,社会的認知度は低く,会合で予約した店の歓迎ボードには「リハビリステーション御一行様」や「PTA様」と書かれ失笑した思い出がある.医学部においてもリハビリテーションの講座を有する大学は少なかったことから,積極的にリハビリテーションを導入する医師も多くはなく,重度な合併症をつくってから処方される印象があった.

 一方,数少ない理学療法士にはジェネラリストとしてあらゆる疾患に対応することが求められていたが,特定の領域に秀でた先輩の後ろ姿を追いかけ,いつしか得意とする領域を確立しようと取り組んでいたように思う.あらためてジェネラリスト・スペシャリストについて問われると,双方を追い求めてきた感がある.本稿では,スペシャリストを理学療法の専門分化と捉え,医療制度の変遷と日本理学療法士協会の取り組みを踏まえ,現行の医療システムに答えるべく理学療法の専門性確立とその育成について概観してみたい.

参考文献

1)厚生労働省:厚生白書(昭和35年度版)第1部 第3章 第3節 医療保険制度と公衆衛生活動(特に疾病予防対策).p58 http://www.mhlw.go.jp/toukei_hakusho/hakusho/kousei/1960/(2018年5月16日閲覧)
2)日本理学療法士協会:50年の歴史 日本理学療法士協会50周年記念サイト.http://50th.japanpt.or.jp/history/(2018年5月16日閲覧)
3)石川 誠:リハビリテーション医療—これまでの歩みと今後の課題.http://www.mcw-forum.or.jp/image_report/DL/20150918-1.pdf(2018年5月16日閲覧)
4)内閣府:平成29年版高齢社会白書 第1節高齢化の状況(1).http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/zenbun/s1_1_1.html(2018年5月16日閲覧)
5)日下隆一:理学療法料の変遷と理学療法士の専門性.Jpn J Rehabil Med 44:334-338,2007
6)植松光俊,他:理学療法士の継続教育の取り組み.PTジャーナル51:567-572,2017
7)日本理学療法士協会:生涯学習制度が変わります!・1.JPTA NEWS No.309,pp10-11,2017.http://www.japanpt.or.jp/members/membership/tools/jptanews/archive/no309/(2018年6月26日閲覧)
8)日本理学療法士協会:生涯学習制度が変わります!・2.JPTA NEWS No.310,pp10-11,2017.http://www.japanpt.or.jp/members/membership/tools/jptanews/archive/no310/(2018年6月26日閲覧)
9)黒澤和生:理学療法士に必要な臨床技能と人財育成.PTジャーナル51:105-115,2017
10)厚生労働省:医師臨床研修制度の変遷.http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/rinsyo/hensen/(2018年5月16日閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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