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特集 ジェネラリストとスペシャリスト 理学療法におけるジェネラリスト・スペシャリスト
2.手で感じ取り,頭で解釈し,心を読み解き,そしてアクション
著者: 鶴見隆正1
所属機関: 1湘南医療大学保健医療学部リハビリテーション学科
ページ範囲:P.711 - P.715
文献購入ページに移動私自身は幅広く理学療法にかかわってきたので,基本的にはジェネラリストだと思っていますし,理学療法士の多くはジェネラリストだと考えています.ジェネラリストとは,決められた時間内に漫然と働く理学療法士を指すのではなく,理学療法マインドや技術など,何か光るものをもっている人であり,また日々の臨床において常に振り返りを行いながら学会などでの情報収集を怠らない人であると考えます.そうした人はスペシャリストへと進化していくと思います.また,スペシャリストとして物事を追究しようとする人は,自然と素晴らしいジェネラリストになっていく可能性が高く,したがって私は,スペシャリストはジェネラリストでもあると考えています.
日本理学療法士協会の「理学療法士業務指針」には,「理学療法士は,身体に障害のある者,また,障害の発生が予測される者に対し,その基本的動作能力の回復や心身の機能の維持・向上を図るため,治療体操その他の運動を行わせ,電気刺激,光線,徒手的操作(マッサージ他),温熱水治その他の物理的手段を加えることを業務とし,もって保健・医療・福祉の普及および向上に寄与することを目的とする」とあります.対象者の身体だけでなく,生活から地域,社会制度にまで目を配らなければ,この業務指針にある目的とは合致しません.これをめざすには,スペシャリストはおのずとジェネラリストとして展開していかなければならないし,それを患者・家族は望んでいると思っています.
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