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特集 ジェネラリストとスペシャリスト 理学療法のスペシャリストとして
1.徒手理学療法のスペシャリストを養成する
著者: 山内正雄1
所属機関: 1首都大学東京大学院人間健康科学研究科理学療法科学域
ページ範囲:P.717 - P.719
文献購入ページに移動世界理学療法士連盟(World Confederation of Physical Therapy:WCPT)の下部組織である世界徒手理学療法士連盟(International Federation of Orthopaedic Manipulative Physical Therapists:IFOMPT)1)は,徒手理学療法士(Orthopaedic manipulative physical therapist:OMPT)を神経筋骨格系疾患の患者を治療するための理学療法の専門領域として,クリニカルリーズニングに基づき,徒手的技術や治療手技を用いた高度で特殊な治療であると定義している.そして,理学療法士として登録後もしくは大学の理学療法専攻過程を卒業後に,スポーツ分野も含む整形外科領域において,IFOMPTが規定しているOMPTの厳しく専門的な教育プログラムを終了した理学療法士だけをOMPTとして認めている.
この専門的な教育プログラムの内容は,IFOMPTの教育基準文書に掲載されていて,定期的にアップデートが行われている.この教育プログラムは,WCPTにも認められているため,このプログラムを終了することは,世界的にも認められた神経・筋・骨格系の疾患に対する理学療法のスペシャリストであると言える.なお,現在IFOMPTが正式な会員国(MO)と認めている国は世界でまだ22か国であり,準会員国(RIGs)は15か国である.
本稿では,現在の日本におけるOMPTの養成課程と,徒手理学療法の今後の課題について考えていく.
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