icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル52巻9号

2018年09月発行

文献概要

特別企画 理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則改正のポイント・1【新連載】

指定規則改正の背景とその概要

著者: 網本和1

所属機関: 1首都大学東京大学院人間健康科学研究科理学療法科学域

ページ範囲:P.842 - P.845

文献購入ページに移動
改定の背景

 「理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則」とは理学療法士・作業療法士教育のミニマムな基準を定めたものであり,修業年限,教育内容,教員の人数・条件,教育上必要な機械器具等の設備,臨床実習施設・実習指導者等についての規則である.表1に指定規則をめぐる歴史について示した.ここで注目すべきは1966年に制定された当時から比較して総時間数に対する臨床実習時間の割合の減少と,1999年に実施されたカリキュラムの大綱化と単位制の導入である.2009年に内山1)は「最近10年間の社会の変化は目まぐるしく,また,これまでの改正の頻度等から勘案しても近いうちに改正の議論がなされる可能性が大きい」と指摘し,これに備えるべく日本理学療法士協会では2012年4月に「指定規則等特別委員会」による答申書を作成した.

 その内容の骨子は,以下のとおりであった.

 ① 養成課程の修業年限を4年とすることを前提とするが,現状で3年制課程が多数設置されていることを考慮して修業年限3年での教育課程も併記した.

 ② 養成課程教員の要件について,理学療法関連業務の経験年数に加えて学士学位を有することを条件とした.

 ③ 理学療法士である教員の定数は,現行より2名増員とした.

 ④ 臨床実習施設の要件として,設備要件に代えて人的要件を設けた.

参考文献

1)内山 靖:理学療法学教育に望まれる教育課程—指定規則改定に向けて.理学療法学36:255-258,2009
2)厚生労働省:理学療法士・作業療法士学校養成施設カリキュラム等改善検討会報告書.2018.http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000193257.html(2018年7月30日閲覧)
3)網本 和,他:理学療法士・作業療法士養成はどう変わる? 週刊医学界新聞 第3269号,2018年4月16日.http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03269_01(2018年7月30日閲覧)
4)厚生労働省:第3回理学療法士・作業療法士学校養成施設カリキュラム等改善検討会(資料)実習指導者向け調査結果報告書.2017.https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000182810.pdf(2018年7月30日閲覧)
5)厚生労働省:第3回理学療法士・作業療法士学校養成施設カリキュラム等改善検討会(資料)学生,卒業生に対するアンケート結果.https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000182809.pdf(2018年7月30日閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?