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オリパラ関連企画 理学療法士が知っておきたい重要なスポーツ動作・9
ボッチャでのトレーニング
著者: 奥田邦晴1
所属機関: 1大阪府立大学大学院総合リハビリテーション学研究科
ページ範囲:P.850 - P.851
文献購入ページに移動ボッチャは脳性麻痺を中心とする重度四肢麻痺者が参加可能なスポーツで,赤・青の2チームに分かれ,ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに,自身のチームカラーのボール(各色6球)を投げたり転がしたり,ほかのボールに当てたりして,いかに近づけるかを競うターゲットスポーツである.障害に応じてBC 1〜BC 4の4クラスがあり,特にBC 3は,障害が最も重く自身の上下肢を用いて直接ボールを投げたり蹴ったりすることができない選手が該当する.彼らは,競技アシスタントやランプ(勾配具)という専用の補装具を用い,自身の意思と責任にもとづき,すべての競技を遂行する.その際,競技アシスタントが,ボールが転がる状況やジャックボールの位置を振り返って目視してはならず,そのような行為は反則として扱われる.
このように,自身が直接ボールを投げられなくても,パラリンピック選手になり得るところが,ほかのどの障がい者スポーツ競技よりも重度障がい者が参加できるスポーツとしてボッチャが位置づけられているゆえんである.
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