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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル52巻9号

2018年09月発行

文献概要

資料

Journal of Rehabilitation Research & Developmentにおける福祉用具臨床評価研究のフェイズとデザイン

著者: 白銀暁1 鎌田実2

所属機関: 1国立障害者リハビリテーションセンター研究所福祉機器開発部 2東京大学大学院新領域創成科学研究科

ページ範囲:P.877 - P.881

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要旨 【目的】福祉用具の開発研究において,当事者を対象とした臨床評価は欠かせない.そこにはリハビリテーション専門職の関与が期待されるが,その評価手法に関して参照可能な情報は少ない.そこでわれわれは,近年における福祉用具の臨床評価研究の状況を調査した.【方法】Journal of Rehabilitation Research & Developmentに1999〜2016年に掲載された1,601文献を調査対象とした.福祉用具の臨床評価に関連する文献を抽出し,その機器種別,研究フェイズ,研究デザインを調べた.【結果】同誌において最も多く研究された機器種別は義肢装具であり,次いで医療機器と移動機器であった.開発機器を用いた大規模試験は少なく,市販製品の評価研究(第4相)が多数を占めた.研究デザインは自己対照試験が多く,ランダム化比較試験は少なかった.【結論】本結果は,調査対象が特定の学術誌に限定されたものであるが,得られた情報は多様な臨床評価研究の計画および実践に資するものであり,より科学的かつ効果的な研究推進への寄与が期待される.

参考文献

1)数藤康雄:福祉機器の評価.バイオメカニズム会誌14:145-150,1990
2)International Organization for Standardization:ISO 9999:2011 Assistive products for persons with disability-classification and terminology. 2011
3)International Organization for Standardization:ISO 14155:2011 Clinical investigation of medical devices for human subjects- Good clinical practice. 2011
4)日本生活支援工学会倫理審査企画調査委員会:倫理審査申請の手引き2.3.4開発の段階と実証試験.pp19-20,2017
5)山内 繁:エンジニアのための人を対象とする研究計画入門—科学的合理性と倫理的妥当性.pp33-37,丸善出版,2015
6)長谷部浩二,他:段階的な臨床試験プロセスによる人支援型ロボット開発の提案.日本ロボット学会誌29:236-240,2011
7)Gagne JJ, et al:Innovative research methods for studying treatments for rare diseases:methodological review. BMJ 349:g6802, 2014. doi:10.1136/bmj.g6802
8)Faris O, et al:An FDA viewpoint on unique considerations for medical-device clinical trials. N Engl J Med 376:1350-1357, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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