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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル53巻11号

2019年11月発行

文献概要

特集 今と将来を見据えた小児整形外科理学療法

二分脊椎の治療と理学療法

著者: 木村正剛1

所属機関: 1北海道こども発達研究センター

ページ範囲:P.1079 - P.1084

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はじめに

 二分脊椎とは椎弓の癒合閉鎖障害により脊柱管後方の骨性保護が欠如する先天性疾患であり,その病態は水頭症,弛緩性麻痺,知覚障害,膀胱直腸障害と多岐にわたる.二分脊椎のリハビリテーションについては諸家により評価,理学療法,装具療法,手術療法の観点から数多く報告されている.

 一方,二分脊椎の多くに合併する水頭症により生じる視空間認知障害や非言語性学習障害については,その病態が明らかとなりつつあるものの,心理や学校教育における問題として捉えられており,理学療法を実施するうえで考慮すべき要因として取り上げられるに至っていない.本稿では二分脊椎の病態と治療について概説し,これまで理学療法と関連づけて語られることの少なかった水頭症により生じる病態とその治療について述べる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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