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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル53巻2号

2019年02月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?

関連痛(referred pain)

著者: 川村博文1

所属機関: 1甲南女子大学看護リハビリテーション学部理学療法学科

ページ範囲:P.171 - P.171

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■痛みの誘因部位と痛みを感じる部位の不一致

 関連痛は,痛みの誘因部位と痛みを感じる部位が一致せず,患部から離れた部位に出現する痛みである.ペンフィールド・ホムンクルスの脳地図では,脳は体表で刺激を受けると脳地図と照らし合わせて刺激に対応して感じる部位を決定することが示されている.

 ところが,内臓,筋肉などの深部の組織が損傷された場合には,患部から離れた部位に関連痛が発現することがある.内臓疾患に伴う関連痛の部位は,狭心症の場合は心臓の上に位置する胸部だけでなく,左上肢,顎,腹部などに痛みを感じることが多い.肝臓疾患では心窩部,右肩部に,尿路結石症では腰部に関連痛を感じることがある.このように関連痛は内臓からの求心性神経が入る脊髄後角の支配領域と一致するデルマトーム(皮膚分節)よりも広い領域に引き起こされることがある.

参考文献

1)Ruch TC:Visceral sensation and referred pain. In Fulton JF(ed):Howell's textbook of physiology, 15th ed. pp385-401, Saunders, Philadelphia, 1947
2)Sinclair DC, et al:Referred pain and associated phenomena. Brain 1948;71:184-211

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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