icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル53巻2号

2019年02月発行

文献概要

入門講座 身近なツールを治療に活かす・2

バランス機器—バランスボール,不安定板,バランスマット,フォームローラー®など

著者: 磯あすか1

所属機関: 1フィジオセンター

ページ範囲:P.173 - P.181

文献購入ページに移動
はじめに

 一般的なバランス機器にはバランスボール,不安定板,バランスマット,フォームローラー®などがあり,医療機関での理学療法や,介護保険施設・スポーツ施設,学校や家庭で運動時のツールとして用いられている(図1).しかしバランストレーニングには介入方法がさまざまあり,臨床効果は明確でないのが現状である.評価方法や適切なプロトコルについても確立されていない部分が多い.

 一般的に,これらツールの使用目的は体幹安定性向上,バランス能力向上,協調性改善などであるが,筆者は評価ツールとしても重要視している.さらに柔軟性改善や筋力強化にも役立つことから,素材や形状の違いによって目的に応じてツールを使い分けている.本稿では,主に運動器疾患に対する運動療法やスポーツ傷害のリハビリテーション,再発予防トレーニングを想定した使用方法について経験的な視点から紹介する.

参考文献

1)望月 久:バランストレーニングの基本.PTジャーナル2008;42:231-239
2)磯 あすか:セラピーボールやロールを用いたアプローチ.福林 徹,他(編):アスレティックリハビリテーションガイド,第2版.文光堂,2018
3)磯 あすか:スクワット動作の観察と評価—矢状面に着目して.福井 勉(編):新ブラッシュアップ理学療法—新たな技術を創造する臨床家88の挑戦.pp254-255,ヒューマンプレス,2018
4)布施陽子:腹横筋機能に着目した体幹・骨盤帯エクササイズ.福井 勉(編):ブラッシュアップ理学療法—88の知が生み出す臨床技術.pp108-113,三輪書店,2012
5)藤田浩之,他:バランス障害に対する運動療法.理学療法2013;30:52-59
6)溝田丈士,他:下腿・足部疾患の理学療法における運動制御・学習理論の応用.理学療法2009;26:863-875
7)星 文彦:失調症に対する理学療法.理学療法1988;5:109-117
8)加藤 浩:下肢運動器疾患の場合.金子文成(編):感覚入力で臨む—感覚・運動機能回復のための理学療法アプローチ.文光堂,2016
9)Carriere B(著),冨田昌夫(監訳),額谷一夫(訳):スイスボール—理論と実技,基礎から応用まで.Springer-Verlag Tokyo,2003
10)Werbeck B(編),Klein-Vogelbach S(著),野澤絵奈(訳):クラインフォーゲルバッハのリハビリテーション—機能的運動療法 ボール・エクササイズ編.Springer Japan,2010
11)Page P, et al,小倉秀子(監訳):感覚運動トレーニング.ヤンダアプローチ—マッスルインバランスに対する評価と治療.pp169-185,三輪書店,2013
12)Page P:Sensorimotor training:a“global”approach for balance training. J Bodyw Mov Ther 2006;10:77-84
13)Hirase T, et al:Effects of a balance training program using a foam rubber pad in community-based older adults:a randomized controlled trial. J Geriatr Phys Ther 2015;38:62-70

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?