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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル53巻4号

2019年04月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?

線維筋痛症

著者: 田口徹1

所属機関: 1新潟医療福祉大学リハビリテーション学部理学療法学科

ページ範囲:P.389 - P.389

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 線維筋痛症(fibromyalgia:FM)は全身性の激しい恒常的な疼痛を主症状とする慢性難治性疾患である.本邦での罹患者は人口の1.66%(約200万人)と推計され,女性優位の性差を示す(男:女=1:4.8).発症・受診年齢は男女とも平均45〜50歳であるが,10歳台での若年性発症例もある1)

 FMは圧迫による痛み(圧痛)を特徴とし,全身に定められた18か所のうち11か所以上に圧痛点が存在することが診断基準の1つとなっている2).FMでは通常の痛み刺激をより強い痛みとして知覚する「痛覚過敏」や,通常は痛くない刺激を痛みとして知覚する「アロディニア」を呈し,痛みへの感受性が量的かつ質的に亢進している.痛みは筋腱移行部や関節などの深部組織(運動器)に顕著であり日常生活が著しく制限されるため,理学療法士が本疾患に果たすべき役割は大きい.

参考文献

1)日本線維筋痛症学会・日本医療研究開発機構線維筋痛症研究班(編):線維筋痛症診療ガイドライン2017.日本医事新報社,2017
2)Wolfe F, et al:The American College of Rheumatology 1990 Criteria for the Classification of Fibromyalgia. Report of the Multicenter Criteria Committee. Arthritis and Rheumatism 1990;33:160-172
3)田口 徹,他:線維筋痛症のメカニズムを紐解く.J Musculoskelet Pain Res 2017;9:182-187
4)Sluka KA, et al:Neurobiology of fibromyalgia and chronic widespread pain. Neurosci 2016;338:114-129

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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