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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル53巻6号

2019年06月発行

文献概要

甃のうへ・第68回

私の愛おしい時間

著者: 上路拓美1

所属機関: 1新潟大学医歯学総合病院

ページ範囲:P.590 - P.590

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 平成元年に結婚し翌年に長女が生まれ,わが家の子育てが始まりました.私は母になったら専業主婦になろうと思っていましたが,いろいろな事情でその期を逸してしまい,働きながら4人の子どもを育ててきました.当時の職場には育休制度はなく,産後8週での復職でしたが,私は諸事情で5か月間休ませてもらうことができました.しかし,いざ復職するとなると,問題は今の時代と変わらず保育園探し.その頃はまだフルタイムに対応した保育園が少なく,ようやく夫の勤務先の院内保育園に入ることができました.そこは親同士のつながりがとても強く,ともに県外出身者である私たち夫婦はほかの家族にずいぶん助けていただきました.3人目が生まれ,当時の職場の条件では3人子育てをしながら仕事を続けることが難しく,またもっと勉強をしたいという思いもあり,今の職場に転職しました.

 その頃は毎朝5時に起きて,洗濯,朝食・夕食の準備をし,子どもたちの準備をし,ご飯を食べさせて出勤.保育園に子どもたちをお願いし,夕方ばたばたと迎えに行き,夕飯,片づけ….お風呂と寝かしつけは夫の役目でしたが,寝るのはいつも1時頃.しかし2時間もすると授乳のために起こされ,すぐに5時….「疲れた〜」,「ゆっくり寝たい」,と思ってもそれはかなわず.今振り返ると,若さとはなんとすばらしかったことか! 4人目が生まれたとき,子どもたちは6歳,4歳,3歳,0歳で,保育園だけではなく小学校,学童保育とのかかわりも出てきて,それまで地域で育ってこなかった子どもたちのために,PTAや部活動の保護者会,学童の保護者会に夫と分担してできるだけ参加しました.さまざまな場面で子どもの成長を感じることもありましたが,「なぜうちの子は…」,「育て方が悪かったのでは…」と落ち込むこともたくさんありました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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