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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル53巻6号

2019年06月発行

文献概要

1ページ講座 理学療法関連用語〜正しい意味がわかりますか?

複合性局所疼痛症候群 complex regional pain syndrome(CRPS)

著者: 黒澤和生1

所属機関: 1国際医療福祉大学小田原保健医療学部

ページ範囲:P.593 - P.593

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■概要

 複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS)はこれまで,causalgia,反射性交感神経性ジストロフィー(reflex sympathetic dystrophy:RSD)と言われてきた病態が多様で変化しやすいために,さまざまな呼称や定義がなされてきた1).1994年,国際疼痛学会(International Association for the Study of Pain:IASP)は,慢性疼痛として分類されているcausalgia(灼熱痛),RSDなど,「骨折などの外傷や神経損傷の後に疼痛が持続する症候群」で,浮腫や皮膚温変化,発汗異常などの交感神経機能亢進を示す疼痛疾患の総称をCRPSとして定義した.CRPSの「complex」は,自発性あるいは誘発性の灼けるような痛みが長期に持続し,臨床症状が複合的な変化を来すことを意味することより,本症候群の名称に入れられた.CRPSは,神経損傷の有無により,タイプⅠ(従来RSD),タイプⅡ(従来causalgia:末梢神経損傷後)という2つに分類された2)

参考文献

1)住谷昌彦,他:本邦におけるCRPSの判定指標.日臨麻会誌2010;30:420-429
2)住谷昌彦,他:CRPS(Complex Regional Pain Syndrome).小川節郎(編著):痛みの概念が変わった—新キーワード100+α.p64,真興交易医書出版部,2008
3)国際RSD/CRPS研究財団ホームページ http://www.rsdfoundation.org/ja/ja_clinical_practice_guidelines.html#Treatment(2018年12月2日閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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