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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル53巻6号

2019年06月発行

文献概要

1ページ講座 外国人とのコミュニケーション

トルコ

著者: 内藤正典1

所属機関: 1同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科

ページ範囲:P.594 - P.594

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 トルコの人々はほとんどがイスラム教徒である.彼らとつきあううえで,日本人が踏まえておく必要があるのは,第一にイスラム的な道徳とルールである.と言っても別に難しいことではない.高齢者への敬意,子供への愛情,弱い立場の人への思いやりなど,日本でも大切にされてきたことと同じである.イスラムというと,とかくテロや戦争の報道ばかりが目を引くが,世界に16億人といわれるイスラム教徒が,そんなに乱暴な人であるはずもない.イスラム教徒の暴力というのは,逆に,守るべき弱者が迫害されるような状況が,現在のイスラム世界に蔓延してしまったために爆発したのである.

 イスラムでは,女性,子供,高齢者,旅人,それにもちろん病気や障がいをもつ人たちも守るべき存在とされる.トルコ人の場合も,この感覚は日本人よりはるかに強い.日本からトルコに旅行した人たちの多くが,現地の人に親切にされたという印象をもつのは,土地に不案内な旅人を弱者として守ろうとするからである.インバウンドの場合,同じことが期待されることは言うまでもない.したがって「もてなし」には対価を求めてはならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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