文献詳細
文献概要
特集 脳卒中患者の上肢に対する理学療法up to date
脳卒中患者の上肢に対する理学療法up to date
著者: 伊藤克浩1
所属機関: 1山梨リハビリテーション病院
ページ範囲:P.655 - P.659
文献購入ページに移動はじめに
1996年にScience誌に掲載されたNudo博士ら1)による論文以降,中枢神経疾患におけるニューロリハビリテーションは理学療法士にとっても常識となった.その論文では人為的にリスザルに脳損傷を生じさせ,使いにくくなった麻痺手に対してconstraint-induced movement therapy(CI療法;非麻痺手を拘束して麻痺手を強制使用させる療法)を用い,高頻度で麻痺手から感覚・知覚情報を入力することで麻痺手にかかわる運動領野に変化が起きることが紹介された.その後,ニューロリハビリテーションは急速に発展し,brain machine interfaceや経頭蓋磁気刺激法,そしてロボットや通電装置を用いた麻痺側上肢へのリハビリテーションが脚光を浴びつつあるが,理学療法士より医師や作業療法士のかかわりのほうが多い印象がある.
1996年にScience誌に掲載されたNudo博士ら1)による論文以降,中枢神経疾患におけるニューロリハビリテーションは理学療法士にとっても常識となった.その論文では人為的にリスザルに脳損傷を生じさせ,使いにくくなった麻痺手に対してconstraint-induced movement therapy(CI療法;非麻痺手を拘束して麻痺手を強制使用させる療法)を用い,高頻度で麻痺手から感覚・知覚情報を入力することで麻痺手にかかわる運動領野に変化が起きることが紹介された.その後,ニューロリハビリテーションは急速に発展し,brain machine interfaceや経頭蓋磁気刺激法,そしてロボットや通電装置を用いた麻痺側上肢へのリハビリテーションが脚光を浴びつつあるが,理学療法士より医師や作業療法士のかかわりのほうが多い印象がある.
参考文献
1)Nudo RJ, et al:Neural substrates for the effects of rehabilitative training on motor recovery after ischemic infarct. Science 1996;272:1791-1794
2)唐松 友,他:課題指向型訓練とTransfer packageにおける上肢機能評価と作業遂行評価の特徴.日臨作療研2014;1:21-25
3)Elftman H:The function of the arms in walking. Hum Biol 1939;11:529-535
4)Ballesteros ML, et al:The pattern of muscular activity during the arm swing of natural walking. Acta Physiol Scand 1965;63:296-310
5)Murray MP, et al:Comparison of free and fast speed walking patterns of normal men. Am J Phys Med 1966;45:8-23
6)高草木 薫:歩行の安全性にかかわる神経生理機構.PTジャーナル2017;51:389-396
7)Massion J:Movement, posture and equilibrium:interaction and coordination. Prog Neurobiol 1992;38:35-56
8)Keio Hospital Information & Patient Assistance Service:脳卒中で麻痺した手の新しい治療法(IVES療法,HANDS療法).2016.http://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/000811.html(2019年4月3日閲覧)
掲載誌情報