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書評
—沖田 実・松原貴子(著)—「ペインリハビリテーション入門」
著者: 諸橋勇1
所属機関: 1いわてリハビリテーションセンター機能回復療法部
ページ範囲:P.705 - P.705
文献購入ページに移動 私は若い頃から徒手療法に興味をもち学んできました.理学療法における痛みの治療は技術的な議論がほとんどで,痛みの原因を特に関節や筋肉,脊髄,末梢神経系に強引に求めていた感があります.また,明確な急性痛と慢性疼痛の区別もなく,痛みを症状レベルで捉え,社会心理的な痛みの側面は適応外であるような印象もあり,自ら治療の適応範囲を狭めていた時代が長く続きました.そのようななか,本書の著者らが2011年に上梓した「ペインリハビリテーション」は痛みの概念を整理し,痛みを詳細な解剖学的,生理・生化学的,神経学的な科学的な裏づけとともに捉え,痛みの治療のパラダイムシフトをもたらす内容に衝撃を覚えました.われわれの痛みの治療が,「療法」から「リハビリテーション」になった幕開けであり,理学療法士だけで執筆していることを誇りに思いました.
この「ペインリハビリテーション」はその内容が充実し,詳細な脳機能や組織学などにも言及しており,読み応えのあるかなり専門的な内容になっていました.そのため,初学者や経験の浅い理学療法士には基礎知識がないと十分に読みこなし,臨床へ応用できるまでには時間を要することが考えられます.そこで満を持して前書をよりわかりやすく,さらに臨床で使う多くの評価指標を付録で提示し,臨床で使いやすいように本書「ペインリハビリテーション入門」が発刊する運びになったと推察します.本書の内容はChapter1「痛みの理解」では痛みの定義,神経生理学,発生のメカニズムが,Chapter2「痛みの評価」として考え方,感覚評価,身体機能・活動評価,情動・認知評価,社会的・QOL評価に関して述べられています.Chapter3「痛みのマネジメント」では急性痛,慢性疼痛に対する具体的なリハビリテーションの要点について述べられています.また,文中の重要な専門用語には下線が引かれ,末尾で用語解説をしていること,用いられている図も大きく見やすいことが特徴として挙げられます.
この「ペインリハビリテーション」はその内容が充実し,詳細な脳機能や組織学などにも言及しており,読み応えのあるかなり専門的な内容になっていました.そのため,初学者や経験の浅い理学療法士には基礎知識がないと十分に読みこなし,臨床へ応用できるまでには時間を要することが考えられます.そこで満を持して前書をよりわかりやすく,さらに臨床で使う多くの評価指標を付録で提示し,臨床で使いやすいように本書「ペインリハビリテーション入門」が発刊する運びになったと推察します.本書の内容はChapter1「痛みの理解」では痛みの定義,神経生理学,発生のメカニズムが,Chapter2「痛みの評価」として考え方,感覚評価,身体機能・活動評価,情動・認知評価,社会的・QOL評価に関して述べられています.Chapter3「痛みのマネジメント」では急性痛,慢性疼痛に対する具体的なリハビリテーションの要点について述べられています.また,文中の重要な専門用語には下線が引かれ,末尾で用語解説をしていること,用いられている図も大きく見やすいことが特徴として挙げられます.
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