文献詳細
臨床実習サブノート 「日常生活活動」をみる・4
文献概要
活動としての排泄の捉え方
排泄には老廃物を体外に排出して生命を保持する役割があり,日常生活活動(ADL)上でたいへん重要な行為です.排泄は1日に数回は必要で,通常は便器への移乗動作も含まれるため,当事者にとっても介助者にとっても負担の大きい動作です.また,トイレ動作はなるべく人に見られたくない動作であり,介助が必要となった場合,自尊心が傷つき自信喪失につながる可能性があります.さらに,排泄コントロールの障害(尿意,便意がない,尿漏れなどコントロールや管理が困難)が加わると,当事者,介助者の双方にとって心理面でも介護面でも影響が大きくなります.
排泄を自立して実施するためには,下部尿路や下部消化管の機能が正常であるだけでは十分ではありません.当然のことながら,排泄にまつわる諸動作を,安全に効率よく遂行するための身体機能が必要です.さまざまな疾病や外傷により患者の身体機能が低下し,歩行や起立などの基本動作の遂行が困難となることで排泄が要介助となることは臨床でよく経験することでしょう.さらに,正常な認知機能が保持されていることも重要です.たとえ動作が自己にて実施できたとしても,病棟内で迷ってトイレにたどり着けなかったり,自己や環境の清潔保持に配慮した動作が実施できなかったりする場合は,排泄の自立に至らないと考えられます.
排泄には老廃物を体外に排出して生命を保持する役割があり,日常生活活動(ADL)上でたいへん重要な行為です.排泄は1日に数回は必要で,通常は便器への移乗動作も含まれるため,当事者にとっても介助者にとっても負担の大きい動作です.また,トイレ動作はなるべく人に見られたくない動作であり,介助が必要となった場合,自尊心が傷つき自信喪失につながる可能性があります.さらに,排泄コントロールの障害(尿意,便意がない,尿漏れなどコントロールや管理が困難)が加わると,当事者,介助者の双方にとって心理面でも介護面でも影響が大きくなります.
排泄を自立して実施するためには,下部尿路や下部消化管の機能が正常であるだけでは十分ではありません.当然のことながら,排泄にまつわる諸動作を,安全に効率よく遂行するための身体機能が必要です.さまざまな疾病や外傷により患者の身体機能が低下し,歩行や起立などの基本動作の遂行が困難となることで排泄が要介助となることは臨床でよく経験することでしょう.さらに,正常な認知機能が保持されていることも重要です.たとえ動作が自己にて実施できたとしても,病棟内で迷ってトイレにたどり着けなかったり,自己や環境の清潔保持に配慮した動作が実施できなかったりする場合は,排泄の自立に至らないと考えられます.
参考文献
1)穴澤貞夫,他(編):排泄リハビリテーション—理論と臨床.pp363-374,中山書店,2009
2)小池祐士:トイレ動作の基本&つまずきポイント—全介助〜重介助の場合.リハビリナース2017;10:45-50
3)小池祐士:トイレ動作の基本&つまずきポイント—軽介助の場合.リハビリナース2017;10:51-53
4)杉山 瑶,他:自立度の評価をめぐる多職種の視点の違い.リハビリナース2017;10:79-83
5)鈴木重行,他(編):リハスタッフのための排泄リハビリテーション実践アプローチ.pp302-312,メジカルビュー社,2018
6)細田多穂,他:《シンプル理学療法学シリーズ》日常生活活動学テキスト,改訂第2版.pp122-123,南江堂,2014
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