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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル53巻9号

2019年09月発行

文献概要

臨床のコツ・私の裏ワザ

テニス肘に対する他関節からの評価のコツ

著者: 岡村俊1

所属機関: 1文京学院大学保健医療技術学部

ページ範囲:P.916 - P.917

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テニス肘に対する肩関節の評価

 テニス肘は上腕骨外側上顆付近に付着する長撓側手根伸筋,短撓側手根伸筋,尺側手根伸筋などによる筋腱付着部炎とされています.特に付着部断面積の影響により上腕骨外側上顆から中指の中手骨底背側に走行する短撓側手根伸筋の影響が大きいと言われています.理学療法として前腕伸筋群のストレッチや筋力トレーニングを行うことがありますが,それだけでは症状が改善できない症例を多く経験します.テニス肘のストレステストはchair test,中指伸展テスト,Thomsen test(図1a)があります.肩関節からの影響を考慮する場合は図1bのように肩甲骨を固定し,ストレステストを行い疼痛が消失ないし軽減したときは肩関節などの近位関節の影響と判断しています.

 日常生活では前腕回外位の肘屈曲動作より,物を拾うなどの前腕回内位の肘関節屈曲が多く観察されます.図1cのように前腕回内位の肘関節屈曲運動を評価し,肘関節屈曲運動時に手関節背屈運動がみられる場合は上腕筋の機能低下を疑い,上腕筋の徒手筋力検査を用いて評価を行います.このときも肩甲骨の固定で筋力の改善がみられれば,近位関節の評価も行います.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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