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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル53巻9号

2019年09月発行

文献概要

症例報告

補助人工心臓を離脱した乳幼児患者の一症例

著者: 天尾理恵1 平田康隆2 中野克俊3 犬塚亮3 小野稔2 芳賀信彦1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院リハビリテーション部 2東京大学医学部附属病院心臓外科 3東京大学医学部附属病院小児科

ページ範囲:P.946 - P.951

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要旨 【はじめに】これまで,補助人工心臓(ventricular assist device:VAD)離脱に至った小児患者の離脱後の運動指標は明確でない.今回,VAD離脱に至った幼児患者の理学療法について検討したので報告する.【症例紹介】左室瘤2か月女児.LVADを装着術後,心機能の改善を認め,装着術後530日にVAD離脱術を施行した.【経過】VAD装着時安静時心拍数(heart rate:HR)は110台,啼泣時に140台まで上昇する状況であった.理学療法は離脱術後2日に開始.理学療法実施中のHRは興奮にて一過性に150bpmに上昇したが,おおむね120〜140bpmで推移した.退院前にはほぼ,離脱術前と同等のプログラムを実施可能な状態であった.【考察】本症例の循環動態の評価として,HR,血圧,および他覚的所見として心不全症状の有無などを評価した.安静時HRより20%程度上昇する運動負荷で,安全かつ効果的な理学療法が行え,VAD離脱後の乳幼児の理学療法として許容範囲内であることが示唆された.【結語】VAD離脱後の乳幼児の理学療法は,安静時HRより20%程度上昇HRであれば許容範囲内であった.

参考文献

1)日本心臓移植研究会ウェブサイト.http://www.jsht.jp(2019年6月12日閲覧)
pediatric ventricular assist device in Japan. Circ J 2016;80:2552-2554
3)Amao R, et al:Experiences with aggressive cardiac rehabilitation in pediatric patients receiving mechanical circulatory supports. Int Heart J 2016;57:769-772
4)Saito S, et al:Hemodynamic changes during left ventricular assist device-off test correlate with the degree of cardiac fibrosis and predict the outcome after device explantation. J Artif Organs 2015;18:27-34
5)Hetzer R, et al:Paediatric mechanical circulatory support with Berlin Heart EXCOR:development and outcome of a 23-year experience. Eur J Cardiothorac Surg 2016;50:203-210
6)天尾理恵,他:BiVADからの離脱に至った小児のリハビリテーション経験.心臓リハ2016;21:104-109

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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