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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル53巻9号

2019年09月発行

文献概要

卒業論文のひろば

大学生のリュックサックの使用方法と腰痛について—質問紙調査結果からの示唆

著者: 德竹優花1 荒井卓巳1 小堺雅也1 坂上眞樹美1 新嶋廉1 村山明彦1

所属機関: 1群馬医療福祉大学リハビリテーション学部理学療法専攻

ページ範囲:P.953 - P.956

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要旨 本研究では,腰痛の発生機序について一定の知識を有する大学生のリュックサックの使用方法(知識と嗜好)を調査することで,今後の腰痛予防教育に有益となる知見を得ることを目的とした.群馬医療福祉大学(以下,本学)に在籍している理学療法専攻および作業療法専攻1〜3年生179名を対象とし,独自に作成した質問紙を用いて調査を行った.その結果,女性のほうが男性よりもリュックサック使用中に腰背部の痛みを感じていた.また,女性のほうが嗜好を重視する傾向がうかがえた.しかし,腰背部へのストレスが最も少ないと思われるリュックサックの使用方法の認識に関しては,女性のほうが高かった.本学の理学療法・作業療法学生(特に女性)においては,リュックサックの使用方法による身体への負担の差異を理解しているにもかかわらず,嗜好を優先する傾向がみられた.これらのことから,今後の腰痛予防を目的とした健康教育においては,予防の知識を深めるだけでは不十分である可能性が示唆された.

参考文献

1)鈴木重行,他:背部痛理学療法診療ガイドライン,第1版.2011
2)岡田隆子,他:リュックサックの肩ベルトの長さに関する筋電図学的考察—立ち上がり動作におよぼす影響.日職災医会誌2016;64:265-270
3)日本整形外科学会/日本腰痛学会(監).日本整形外科学会診療ガイドライン委員会/腰痛診療ガイドライン策定委員会(編):腰痛診療ガイドライン2012,南江堂,2012
4)安永明智,他:ファッションへの関心と着装行動に関する基礎的調査研究—性別,年齢,主観的経済状況,性格による差の検討.ファッションビジネス学会論文誌2012;17:129-137
5)伊藤 忠,他:ハイヒール着用時に起きる自覚的愁訴によるアンケート調査報告.愛知理療会誌2012;24:36-38
6)高井明徳,他:男女大学生における足と履物に関する調査研究.生活衛生1992;36:285-293

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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