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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル54巻1号

2020年01月発行

文献概要

特集 急性期理学療法の今—育成・働き方・連携・エビデンス

—エディトリアル—急性期病院で働く理学療法士のミニマムスタンダード

著者: 高橋哲也12 森沢知之1 北原エリ子2 藤原俊之2

所属機関: 1順天堂大学保健医療学部 2順天堂大学医学部附属順天堂医院リハビリテーション室

ページ範囲:P.10 - P.20

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いつの時代も「今どきの若い者は……」との声が聞こえる

 理学療法士のミニマムスタンダード(最低水準)の1つは,「国家試験に合格すること」である.しかし,国家試験に合格したからといって,急性期,回復期,生活期のどの職場でも資格取得後すぐに問題なく働けるわけではない.患者に直接触れることも少なく,一人の症例すらも責任をもって担当することのない実習で,ケースレポートを書いたり,ケース発表をせず養成期間を終えた者が,多職種からなる急性期病院のチームですぐ機能するとは到底思えない.

 日本には,「〜世代」といわれるユニークな分類がある.1965〜1970年の間に生まれた筆者らは,いわゆるバブル世代と言われる.われわれの世代は,いわゆる団塊の世代やしらけ世代の先輩たちから「新人類」と呼ばれ,「今どきの若者は……」と揶揄されたことであろう.しかし,その団塊の世代の人たちも,かつては「戦争を知らない子供たち」として,戦中派から軟弱呼ばわりされていたと聞く.筆者ら「新人類」からすれば,バブル崩壊後の氷河期世代やゆとり世代を「草食系男子」や「さとり世代」などとも呼び,「今どきの若者は……」との感覚をもたなかったと言えば嘘になるであろう.

参考文献

1)半田一登:「なんちゃってリハビリ」の横行.JPTA NEWS No. 284,2013
2)大西昇一:理学療法士の質の低下に歯止めを.理療と作療1986;20;436
3)医療従事者の需給に関する検討会 理学療法士・作業療法士分科会(第3回).2019.https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000132674_00001.html(2019年12月2日閲覧)
4)日本集中治療医学会早期リハビリテーション検討委員会:集中治療における早期リハビリテーションー根拠に基づくエキスパートコンセンサス.日集中医誌2017;24:255-303
5)Barr J, et al:American College of Critical Care Medicine:Clinical practice guidelines for the management of pain, agitation, and delirium in adult patients in the intensive care unit. Crit Care Med 2013;41:263-306
6)Devlin JW, et al:Clinical practice guidelines for the prevention and management of pain, agitation/sedation, delirium, immobility, and sleep disruption in adult patients in the ICU. Crit Care Med 2018;46:e825-e873
7)Skinner EH, et al:Minimum standards of clinical practice for physiotherapists working in critical care settings in Australia and New Zealand:A modified Delphi technique. Physiother Theory Pract 2016;32:468-482
8)Strassburg CP:Gastrointestinal disorders of the critically ill. Shock liver. Best Pract Res Clin Gastroenterol 2003;17:369-381
9)厚生労働省:平成30年度医療費の動向—概算医療費の年度集計結果.https://www.mhlw.go.jp/topics/medias/year/18/dl/iryouhi_data.pdf(2019年10月4日閲覧)
10)日本理学療法士協会:理学療法学教育モデル・コア・カリキュラム.http://www.japanpt.or.jp/upload/japanpt/obj/files/about/modelcorecurriculum_2019.pdf(2019年10月4日閲覧)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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