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理学療法士の専門性とは何か?
著者: 山本尚司1
所属機関: 1(一社)フィジオ運動連鎖アプローチ協会
ページ範囲:P.1133 - P.1133
文献購入ページに移動 「理学療法士の専門性とは何か?」ひとえに考え続けて30年あまり.考える転機となったのは,臨床3年目からスポーツ現場にかかわり始めたことです.主に個人で高校や大学,実業団のチームにトレーナーとして参加していましたが,現場では理学療法士であることのアドバンテージはほとんどありませんでした.当時は「整体」,「マッサージ」,「鍼灸」,「接骨院」などの知名度が高く,理学療法士については毎度説明が必要な状況でした.チーム関係者に紹介してもらうにも「理学療法士の…」という紹介では「何ができる人なの?」という反応が返ってきます.スポーツ関係者に限らず世間一般的に,理学療法士についての認知度が低かったという時代背景もあったと思われます.
私は理学療法士になった後で鍼灸マッサージ指圧師の国家資格を取得したこともあり,スポーツ現場ではむしろ鍼を打てることが重宝されました.監督からは「鍼も打てます」と必ず紹介されたものです.つまり,一個人として現場にかかわる場合には,「即効性」,「インパクト」が重要視され,いわゆる理論的な思考過程や研究などのエビデンスは,あくまで学術としてのカテゴリーなのでしょう.
私は理学療法士になった後で鍼灸マッサージ指圧師の国家資格を取得したこともあり,スポーツ現場ではむしろ鍼を打てることが重宝されました.監督からは「鍼も打てます」と必ず紹介されたものです.つまり,一個人として現場にかかわる場合には,「即効性」,「インパクト」が重要視され,いわゆる理論的な思考過程や研究などのエビデンスは,あくまで学術としてのカテゴリーなのでしょう.
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