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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル54巻10号

2020年10月発行

文献概要

Close-up 理学療法士が「死」に向き合うということ

終末期の医療者とグリーフケア

著者: 宮林幸江12

所属機関: 1東北福祉大学健康科学部保健看護学科 2日本グリーフケア協会

ページ範囲:P.1194 - P.1197

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終末期とグリーフケアは切っても切れない

 医療専門職が死に向き合う場面の緊張感を考えると,苦手意識を抱く気持ちは理解できる.この期間・場面とは,ルーチンワークに付加された“タスク”なのか平常ワークそのものなのかと問う人もいるかもしれない.いずれ自分にも訪れる「終末期」や「死別」の予行演習そのものであり,人生における重要なこと,問題となることのヒントなどを,患者さんが医療者に身をもって教えてくれている機会である.そう考えるとアドバンス編のライフ学習と言える.医療者はもとより誰でもが伴走者でありたい.難しく考えず,しかし真剣に“一緒に”を試みれば…それは立派なケアとなる.

 筆者はグリーフケアを実施してきて20年になる.患者(故人)が抱く終末期の悩み,特にスピリチュアルな悩みと,死別を経験し遺族期に入った家族(遺族)から聞かれる苦悩の言葉に「おや…似ている…」と思ってきたことがある.それは,終末期の看護とグリーフケアは切っても切れないほどに結びついているということである1)(図1「1〜2」の時期)2)

参考文献

1)宮林幸江:遺族期に起こる“スピリチュアルペイン”—配偶者喪失遺族の生きる意味・生活の張り(生活充実感)の喪失.ホスピスケア在宅ケア2016;24:56-65
2)宮林幸江,他:はじめて学ぶグリーフケア.pp80-83,日本看護協会出版会,2012
3)宮林幸江:死別反応に関する基礎的研究—死別悲嘆の下部構造の明確化とそのケア.お茶の水医学雑誌2003;51(3・4):51-69
4)宮林幸江,他:配偶者の死別反応:自責と怒りについて—アクションリサーチの過程を活かした記述の分析.宮城大看紀2006;9:35-41
5)Rando TA(ed):Clinical dimensions of anticipatory mourning:theory and practice in working with the dying, their loved ones, and their caregivers. Research Press, Champaign, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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