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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル54巻11号

2020年11月発行

文献概要

連載 内科疾患患者における理学療法介入に必要なアセスメント・Part 5

代謝疾患の理学療法介入に必要なフィジカルアセスメント

著者: 井垣誠1

所属機関: 1公立豊岡病院日高医療センターリハビリテーション技術科

ページ範囲:P.1321 - P.1325

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本疾患の概要

 本稿では,代謝疾患のなかで理学療法対象者が有していることが多い糖尿病に焦点を当て述べる.糖尿病は,1型,2型,そのほかの特定の疾患によるものと妊娠糖尿病に分類され,日本では2型糖尿病が95%を占める.糖尿病になる要因には,遺伝的要因と環境的要因があり,環境的要因は肥満,過食,運動不足,精神的ストレスなどである.これらの要因が組み合わさることによって糖尿病になると考えられており,特に,環境的要因が大きく関与していることから生活習慣病の1つとして知られている.

 糖尿病患者の多くは自覚症状がないが,血糖コントロールの状況によって急性合併症および慢性合併症を生じる.急性合併症では高血糖を呈する糖尿病ケトアシドーシスや高浸透圧高血糖状態,また薬物療法中に生じる低血糖がある.慢性的な高血糖による合併症としては,細小血管症と称する糖尿病神経障害,糖尿病網膜症,糖尿病性腎症がある.近年の調査では,糖尿病で失明する人は年間約3,500人以上,糖尿病が要因で透析導入する人は年間約13,000人以上,糖尿病壊疽による足切断は年間3,000人以上となっており,糖尿病管理の重要性が強調されている1)

参考文献

1)日本医師会ホームページ:糖尿病対策・糖尿病に関するパンフレット・リーフレット等.http://dl.med.or.jp/dl-med/tounyoubyou/diabetesl.pdf(2020年7月1日閲覧)
2)源本真由,他:糖尿病の検査・診断の臨床的意義,病歴・身体所見.日本臨牀(Suppl) 2016;74:351-355
3)保坂嘉之,他:低血糖とその対応法.プラクティス2013;30:291-296
4)Dabby R, et al:Acute painful neuropathy induced by rapid correction of serum glucose levels in diabetic patients. Biomed Pharmacother 2009;63:707
5)井上 岳:糖尿病の基本治療とチーム医療,薬物療法.大平雅美,他(編):糖尿病の理学療法.pp 43-54,メジカルビュー社,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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