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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル54巻12号

2020年12月発行

文献概要

Close-up 理学療法士としての有意義な「同職種連携」

よりよい治療の質のために—理学療法士の院内同職種連携

著者: 中谷知生1

所属機関: 1宝塚リハビリテーション病院

ページ範囲:P.1437 - P.1440

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はじめに

 日本理学療法士協会の統計資料1)では,2020年3月時点での会員数は125,372人,所属施設数は18,905施設となっている.そのうち理学療法士が31人以上所属する職場は528施設で施設数全体の割合では2.7%であるが,2017年の同統計2)と比較すると施設数全体の伸び率が13%増であるのに対し,16〜20人の職場が12%増,21〜30人の職場が31%増,31人以上の職場は44%増と,より多人数の理学療法士が所属する施設ほど高い増加率を示している.

 多人数の理学療法士の勤務先としては大学病院や一般病院が多く1),かつ回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期病棟)において多人数の理学療法士が所属する傾向にある3)ことからも,回復期病棟では経験年数の浅い理学療法士が多数勤務する傾向が強まっていることがわかる.こうした急激な量的拡大を背景に理学療法の質の低下を懸念する声が高まっており,施設内理学療法士の連携強化による治療の質の向上は喫緊の課題となっている.

参考文献

1)日本理学療法士協会:統計情報(2020年3月末時点)http://www.japanpt.or.jp/about/data/statistics/(2020年10月15日閲覧)
2)伊藤義広:組織力を向上させるための理学療法管理.理学療法学2018;45:54-63
3)小山照幸,他:日本リハビリテーション医学会研修施設における療法士数の実態調査.Jpn J Rehabili Med 2014;51:405-407
4)一般社団法人回復期リハビリテーション協会:回復期リハビリテーション病棟の現状と課題に関する調査報告書【修正版】.2019
5)才藤栄一,他:脳卒中患者の治療用装具.日義肢装具会誌2012;28:87-92
6)比嘉康敬,他:重症脳卒中片麻痺者における後方介助歩行時の麻痺側下肢筋活動に影響する要因の検討—重心位置および症例・介助者の心理的側面からの検証.理学療法学2019;46 Suppl. 1:P-B-14-2
7)中谷知生,他:回復期リハビリテーション病棟に勤務する理学療法士に対する「歩行コンテスト」に関する意識調査.理学療法学2019;46 Suppl. 1:P-B-17-10
8)伊藤卓也:訪問リハビリテーションにおける回復期リハビリテーション病棟との連携と統合の実践.訪問リハ2013;3:443-448

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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