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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル54巻12号

2020年12月発行

文献概要

卒業論文のひろば

運動教室後の自主活動者の運動機能および認知機能の変化

著者: 伊藤里紗1 今岡真和1

所属機関: 1大阪河﨑リハビリテーション大学リハビリテーション学部リハビリテーション学科理学療法学専攻

ページ範囲:P.1480 - P.1485

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要旨 〔目的〕地域在住者を対象に運動教室終了後の自主活動の成果を反復測定し,運動および認知機能の改善について調査することを目的とした.〔対象および方法〕対象は3回の反復測定が可能であった60歳以上の地域在住者25名(男性3名,女性22名)とした.効果判定の指標は歩行速度,2ステップテスト,四肢骨格筋量指数,握力,Mini-Mental State Examination,Trail Making Test-A,基本属性とした.測定は事前検査を行い,3か月の運動教室を実施したのちに,事後検査を行い,それぞれの参加者による3か月の自主活動を継続実施したのち,追加検査を実施した.〔結果〕歩行速度および握力について事前検査と比較して事後検査では有意な改善がみられた(p<0.05).事後から追加の自主活動期間で改善した項目はなかった.〔結論〕専門職による運動教室は運動機能の改善効果が示唆されたが,自主的な活動における持続した運動機能改善はみられなかった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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