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連載 はじめてのマネジメント学—できることから始めよう・Part 3
後輩たちの成長のために—さまざまな人材育成手法
著者: 鯨岡栄一郎1
所属機関: 1株式会社メディケアソリューション
ページ範囲:P.327 - P.330
文献購入ページに移動2019年5月26日の日本経済新聞電子版にて「頼りは上司よりSNSの他人—若者,自腹でコーチング」という記事1)が掲載された(下記,一部抜粋).
上司のアドバイスは「ピンとこない」
コーチングを求め,自らコーチを探す20〜30代が増えている.コーチングは企業の人材育成に取り入れられてきたが,必ずしも適切に運用されているとは限らない.
若い世代は年上世代の助言に解決策を見いだせなくなっている.会社にも,上司と部下が定期的に話し合う「1 on 1制度」があるが,「会社のは一方的にアドバイスされるだけ.『こうしてみなよ』って言われるけど腹落ちはしない」.
「幸せの定義を自分で考える時代」.先輩を見れば自分の未来が予想できた時代は終わった.アドバイス的なコミュニケーションじゃニーズを満たせないという.
「何がしたいか分からない」,「やりたいことが見つからない」.コーチを付ける20〜30代の若者に多いのが,この悩みだ.
どうだろう,今の雰囲気をとてもよく物語ってはいないだろうか? もちろん,すべての場がこうではないだろうが,そのぐらい上司はあてにされていない,ということらしい.
どんなにラダーや稼業表など教育の仕組みが整っていようと,結局は担当する者のさじ加減,腕次第でいかようにでも左右されてしまう.
そこで今回は,「相手(後輩たち)の成長」に主眼を置き,人を育てることとは,ということについて考えていきたい.
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