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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル54巻3号

2020年03月発行

文献概要

ひろば

幻肢痛の謎

著者: 奈良勲1 小嶋功2

所属機関: 1広島大学 2神戸学院大学総合リハビリテーション学部

ページ範囲:P.353 - P.353

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 幻肢痛(panthom pain)とは,切断者の一部の人が呈する痛みである.その語源はラテン語:fantesme,ギリシャ語:phantasma,古フランス語:fantumであるが,幻視・幻聴・幻想・妄想・錯覚・亡霊・実体のない人やものなど多岐にわたる意味がある.さらに,古代インドのサンスクリット語では光る・輝き,古イラン語では白い光・光の放射線などがあり,共通した意味がある.

 漢字の意味は,染色した糸を木の枝にかけた状態の図に由来し,実際に存在しないものがまるであるかのようにみえる現象である.また,珍しいもの,混乱させること,はかない人世としての幻世とか「幻」のような人の世の意味もある.一方,変幻自在とは,思いのままに姿を変貌させて自由自在であることの意味もあり,「幻」には,人を困惑させると同時に夢のある「ことば」であると思える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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