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特集 投球障害を捉える—動作,機能解剖,エコーの活用,予防に対する理学療法士の英知
投球障害肩—インピンジメント症候群
著者: 尾﨑尚代1
所属機関: 1昭和大学病院リハビリテーションセンター
ページ範囲:P.511 - P.518
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●投球障害肩における関節内インピンジメントは,肩甲上腕関節内の後上方と前上方で生じる
●関節内インピンジメントの成因を理解することにより,手術を回避し,患者を現場に復帰させることが可能である
●ゼロポジション近似肢位での外旋保持能力や肘伸展能力の改善と,肩甲上腕関節に対する肩甲骨や体幹の連動性の改善が運動療法の中心となる
●投球障害肩における関節内インピンジメントは,肩甲上腕関節内の後上方と前上方で生じる
●関節内インピンジメントの成因を理解することにより,手術を回避し,患者を現場に復帰させることが可能である
●ゼロポジション近似肢位での外旋保持能力や肘伸展能力の改善と,肩甲上腕関節に対する肩甲骨や体幹の連動性の改善が運動療法の中心となる
参考文献
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