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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル54巻5号

2020年05月発行

文献概要

症例報告

Forestier病に対する徒手的理学療法の経験

著者: 永井豊美1 八木柚香里2 松枝重樹3 古賀秀作4

所属機関: 1京都逓信病院リハビリテーション科 2京都逓信病院耳鼻咽喉科 3京都逓信病院内科 4山王病院リハビリテーションセンター

ページ範囲:P.604 - P.609

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要旨 【目的】手術が非適応となったForestier病における嚥下障害・発声障害に対して,徒手的理学療法の介入により機能改善がみられたため,考察を交えて報告する.【症例および経過】81歳の男性で,主訴は嚥下困難であった.他院にて入院・加療していたが,ADL機能低下・嚥下機能低下の改善目的で京都逓信病院へ転院され,理学療法と言語療法の開始となった.病名は誤嚥性肺炎,廃用症候群,Forestier病,陳旧性心筋梗塞などであった.開始当初は廃用症候群に対する理学療法のみであったが,言語聴覚士からの相談の結果,嚥下障害・発声障害に対して理学療法士による徒手的理学療法の介入となった.実際の徒手的理学療法の介入には多くのリスク管理を要しながらも,頸部に対する徒手的理学療法を実施し,最終的にはお楽しみ程度の嚥下が可能となり,自宅退院となった.【考察】Red flagsを有する症例への徒手的理学療法は本来禁忌であることが多いが,慎重なリスク管理を行うことで可能な場合もある.

参考文献

1)高崎博司:徒手的理学療法のエビデンス.藤縄 理(編):ケースで学ぶ徒手理学療法クリニカルリーズニング.pp78-83,文光堂,2017
2)長谷川純,他:急性に嚥下障害を発症したForestier病の1症例.耳鼻・頭頸外科2003;75:313-317
3)Greenhalgh S, et al:Red flags Ⅱ:a guide to solving serious pathology of the spine. pp51-57, Elsevier, London, 2010
4)Goodman CC, et al:Differential diagnosis for physical therapists, 6th ed. pp7-9, Elsevier, St. Louis, 2018

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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