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文献概要
連載 とびら
きっかけがもたらすもの
著者: 武田浩二1
所属機関: 1盛岡つなぎ温泉病院リハビリテーション部
ページ範囲:P.621 - P.621
文献購入ページに移動その中学生時代,私は「脊椎分離症」を患った.当時,小学校から続けていたバスケットボール部に入部して半年後,脚のしびれが強くなり走るどころか歩くのもつらくなっていった.主治医の指示で,部活動はおろか大好きだった体育の授業も1年間見学となった.思春期でバスケットボールがすべてだった私にとっては世界が終わったような気持ちで,目の前が真っ暗になったのを覚えている.当時クラス担任だった先生は,事故による大腿切断で義足を装着して教壇に立っていた.水泳から山登りまで何でもチャレンジしてしまう先生で,気落ちする私にスポーツリハビリテーションを紹介してくれた.リハビリという言葉は知っていても「理学療法士」という言葉を知ったのはそのときが初めてだった.
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