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文献概要
特集 軟部組織に着目した理学療法の最前線
肩関節周囲組織の動態と理学療法
著者: 林典雄1
所属機関: 1運動器機能解剖学研究所
ページ範囲:P.1010 - P.1015
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●投球障害肩を診療する場合には,骨頭の求心性が保たれているか否かの評価が極めて大切であり,その評価には,烏口肩峰靱帯をガイドとした超音波動態観察が有用である
●烏口肩峰靱帯をガイドとした動態観察を通して肩峰下インピンジメントや烏口下インピンジメントが確認できた場合には,後方腱板,特に棘下筋の柔軟性評価が大切である.その指標としては,肩関節伸展内旋域を確認する
●Bennett骨棘症例で肩の後方部痛を訴える場合では,① 骨棘部と棘下筋との間の瘢痕組織を確認すること,② 外旋運動に伴う棘下筋の滑走を表層と深層とで比較すること,③ 外旋最終域でインターナルインピンジメントを確認すること,が大切である
●投球障害肩を診療する場合には,骨頭の求心性が保たれているか否かの評価が極めて大切であり,その評価には,烏口肩峰靱帯をガイドとした超音波動態観察が有用である
●烏口肩峰靱帯をガイドとした動態観察を通して肩峰下インピンジメントや烏口下インピンジメントが確認できた場合には,後方腱板,特に棘下筋の柔軟性評価が大切である.その指標としては,肩関節伸展内旋域を確認する
●Bennett骨棘症例で肩の後方部痛を訴える場合では,① 骨棘部と棘下筋との間の瘢痕組織を確認すること,② 外旋運動に伴う棘下筋の滑走を表層と深層とで比較すること,③ 外旋最終域でインターナルインピンジメントを確認すること,が大切である
参考文献
1)林 典雄:烏口肩峰靱帯の超音波観察と拘縮との関連.杉本勝正(監),林 典雄(著):運動療法のための運動器超音波機能解剖—拘縮治療との接点.pp32-39,文光堂,2015
2)福吉正樹,他:肩甲上腕関節の拘縮からみた肩関節インピンジメント症候群に対する運動療法—その評価と治療のコツ.臨スポーツ医2013;30:467-472
3)林 典雄:棘下筋の超音波観察と拘縮との関連.杉本勝正(監),林 典雄(著):運動療法のための運動器超音波機能解剖—拘縮治療との接点.pp32-39,文光堂,2015
4)中川宏樹,他:棘下筋と大菱形筋の筋膜連結が棘下筋の柔軟性に及ぼす影響について—運動療法への応用.日整外超音波会誌2017;29:30-36
5)林 典雄:リハビリテーション.高橋 周(編):スポーツ現場で役立つ! 運動器エコー指南書.pp91-92,日本医事新報社,2019
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