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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル54巻9号

2020年09月発行

文献概要

Close-up 装具—理学療法士が知っておくべきこと

教科書通りの下肢は多くない

著者: 安室真紀1 砂田和幸2 島袋公史3

所属機関: 1医療法人おもと会大浜第二病院 2砂田義肢製作所 3医療法人おもと会沖縄リハビリテーション福祉学院理学療法学科

ページ範囲:P.1074 - P.1078

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はじめに

 脳卒中片麻痺患者(片麻痺患者)のリハビリテーションツールとしての装具は,ある程度機能の回復がプラトーに達し,日常生活を送るうえでその能力を代償するADL装具という考えから,歩行という動きのなかで,単なる補助や代償といった役割にとどまらず,動的制御が可能で治療効果をも期待できる装具へと変化している1).特に治療用装具となると,日々介入している理学療法士の装具に期待する内容を,義肢装具士と共有しながら作製する必要があり,その作製過程でも協働する必要があると感じている.そこで本稿では,片麻痺患者のプラスチック短下肢装具(ankle foot orthosis:AFO)について,作製過程における採型の重要性に焦点を当てる.

参考文献

1)萩野雅史,他:リハビリテーションツールとしての装具の考え方.POアカデミージャーナル2008;16:126-133
2)渡辺英夫,他:下肢装具.日本義肢装具学会(監):装具学,第2版.pp39-103,医歯薬出版,1990
3)杉田 翔,他:短下肢装具の採型姿勢の違いが装具着用下の立位時のバランス,アライメント,疼痛に与える影響—健常成人での検討.日本義肢装具会誌2014;30:223-226
4)山本澄子,他:ボディダイナミクス入門—片麻痺者の歩行と短下肢装具.pp165-167,医歯薬出版,2005
5)金井敏男,他:短下肢装具の検討—片麻痺患者に用いた経験から.理学療法1986;3:351-360
6)小林聖美,他:プラスチック短下肢装具が歩行立脚期に与える影響.医療保健学研究2010;1:31-39
を用いた歩行中の荷重解析.理学療法学2015;30:733-736
8)福井啓介,他:脳卒中片麻痺者における短下肢装具装着の影響—歩行分析装置を用いた検討.ヘルスプロモーション理療研2012;2:155-158
9)中野克己,他:短下肢装具作製時に三次元的アライメントを考慮する必要性について.理学療法学1997;24:263-269
10)中野克己:下肢装具の三次元的アライメントとバイオメカニクス.理療臨研教2012;19:6-13
11)中野克己:装具の修正によって足関節周囲のコントロールが改善し歩行能力が飛躍的に向上した症例.理療臨研教2013;21:63-66
12)塚田陽一,他:プラスチック短下肢装具が片脚立位時の重心動揺に与える影響—前額面における下腿軸アライメントに着目して.理療臨研教2010;17:37-41
13)村山 稔,他:プラスチック短下肢装具の前額面アライメント不適合による装具の回旋変形が底屈制動に与える影響について.日義肢装具会誌2014;30:96-99
14)中野克己:下肢装具に起因する脳血管障害患者の跛行分類と対応策—水平面・前額面における足底圧操作と三次元的アライメントの調整について.POアカデミージャーナル2008;16:113-118
15)井田真人,他:脳卒中片麻痺患者へ治療用短下肢装具を処方するにあたって—下腿三頭筋腱部のroundと装具の可撓性について関連性を検討.理療臨研教2006;13:27-32
16)野本真広,他:端坐位および直立位における足趾圧迫力とアーチ高率との関係—臨床的な足部の機能と構造の評価の検討.リハ科ジャーナル2012;8:53-59
17)跡部武浩:歩行分析による3次元的ダイナミックアライメントを適用した下肢装具の作製技術.POアカデミージャーナル2008;16:155-163
18)栗田英明,他:採型肢位の違いがプラスチック短下肢装具に与える影響—第1報.茨城県立医療大学付属病院職員研究発表会報告集2000;ひろき3:27-29
19)栗田英明,他:採型肢位の違いがプラスチック短下肢装具に与える影響—第2報.茨城県立医療大学付属病院職員研究発表会報告集2001;ひろき4:27-29

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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