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短報
中学生の投球動作におけるステップ脚の筋電図学的解析
著者: 内田智也1
所属機関: 1藤田整形外科・スポーツクリニック
ページ範囲:P.1107 - P.1109
文献購入ページに移動要旨 【目的】本研究の目的は,投球動作分析における臨床推論の科学的根拠を構築するために,ステップ側下肢関節の筋活動をアーリーコッキング期(early cocking:EC期),レイトコッキング期(late cocking:LC期)および加速期(acceleration:Acc. 期)に区別して分析することでステップ側下肢筋群の役割を筋電図学的観点から検討すること.【方法】対象者は中学野球選手の投手6名であり,同期させた慣性式センサーおよび表面筋電図を用いて投球動作の測定を行い,ステップ脚の内転筋群,大腿二頭筋の筋電図を投球位相別に解析した.【結果】大腿二頭筋はEC期では中等度の筋活動,LC期およびAcc. 期において非常に高い筋活動,内転筋群はLC期のみ非常に高い筋活動であり,EC期とAcc. 期では中等度の筋活動であった.【結論】ステップ脚の大腿二頭筋は「ボールリリース時の股関節屈曲」に伴う遠心性筋発揮が生じており,内転筋群は「骨盤を前方回旋」させるための求心性筋発揮が生じていると考えられた.
参考文献
1)Glenn SF, et al:Kinetic of baseball pitching with implications about injury mechanisms. Am J Sports Med 1995;23:233-239
2)内田智也,他:中学野球選手のステップ脚股関節動作に関する生体力学的分析.日臨スポーツ医会誌2018;26:410-416
3)下野俊哉:表面筋電図マニュアル—基礎・臨床応用.pp151-155,酒井医療株式会社,2010
4)Glenn SF, et al:Kinematic and kinetic comparison of baseball among various levels of development. J biomech 1999;32:1371-1375
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