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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル54巻9号

2020年09月発行

文献概要

ひろば

日本の理学療法定義に関する考察

著者: 中村壮大1

所属機関: 1日本医療科学大学

ページ範囲:P.1110 - P.1110

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 日本の理学療法士の歴史も55年に至り,変遷してきたことに鑑み,理学療法定義に関してあらためて考察してみたい.理学療法の法律上の背景としては,1965年に制定された「理学療法士及び作業療法士法」が挙げられる.同法第一章第一条では,「理学療法士及び作業療法士の資格を定めるとともに,その業務が,適正に運用されるよう規律し,もって医療の普及及び向上に寄与することを目的とする」とされている.そして,第一章第二条に「『理学療法』とは,身体に障害のある者に対し,主としてその基本的動作能力の回復を図るため,治療体操その他の運動を行なわせ,及び電気刺激,マッサージ,温熱その他の物理的手段を加えることをいう」とある.なお,上記した定義は戦後の理学療法前時代(法律制定以前に理学療法が行われていた時期)の内容が残存しているとも思える.

 しかし,法律制定から半世紀経過した現在の理学療法教育・臨床・研究などは,社会構造の変化に伴い国民の要請も多様化し,それに応えるために進展を遂げてきた.よって,既存の定義は現状にそぐわない内容であると言えることから,それに関する議論を通じて考察する必要性を強く感じる.

参考文献

1)奈良 勲:私の考える理学療法定義.PTジャーナル2010;44:686
2)日本理学療法士協会国際検証特別委員会:理学療法士の法的位置づけに関する国際比較:国際検証特別委員会報告書.2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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