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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル55巻1号

2021年01月発行

文献概要

連載 再考します 臨床の素朴な疑問・第1回【新連載】

服の上から聴診してはダメ? 血圧を測定してはダメ?

著者: 森雄司1

所属機関: 1静岡医療センターリハビリテーション科

ページ範囲:P.84 - P.85

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 理学療法士は,診療業務において血圧測定,聴診,触診などバイタルサインの測定やフィジカルアセスメントの際に,患者の肌に触れる機会が多い.日本人の文化的特徴として,人前で肌をさらすことに対して抵抗があることは周知の事実である.

 橋本ら1)は,女性患者の身体診察の抵抗感についての調査を実施しており,医師の診察においても腹部,胸部の診察には20〜30%の患者が,抵抗があると回答している.そのため,聴診をする際に服の上から実施する,血圧測定を実施する際に服の上から,または袖をまくり上げて測定する.このような行為は臨床で散見されるが,実際には正しく評価や測定ができていないとされている.本稿ではその根拠を再考し,解説していく.

参考文献

1)橋本成修,他:身体診察に対する女性患者の抵抗感についての意識調査.医学教育2001;32:409-414
2)倉原 優:ねころんで読める呼吸のすべて—呼吸器ケアの巻.呼吸器ケア2015;13:66-67
3)Kraman, SS, et al:Transmission of lung sounds through light clothing. Respiration 2008;75:85-88
4)Kahan E, et al:Comparison of blood pressure measurements on the bare arm, below a rolled-up sleeve, or over a sleeve. Fam Pract 2003;20:730-732
5)Liebl M, et al:The effect of clothes on sphygmomanometric and oscillometric blood pressure measurement. Blood Press 2004;13:279-782
6)Ma G, et al:A comparison of blood pressure measurement over a sleeved arm versus a bare arm. Can Med Assoc J 2008;178:585-589
7)Ozone S, et al:Comparison of blood pressure measurements on the bare arm, over a sleeve and over a rolled-up sleeve in the elderly. Fam Pract 2016;33:517-522

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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