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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル55巻10号

2021年10月発行

文献概要

連載 臨床実習サブノート 診療参加型臨床実習—「ただ見ているだけ」にならないように!・7

超高齢者

著者: 江渕貴裕1

所属機関: 1東京都健康長寿医療センターリハビリテーション科

ページ範囲:P.1136 - P.1140

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はじめに

 平均寿命が84.3歳1)と世界一の長寿国である日本では,当然のことながらリハビリテーションの対象となる方にも多くの高齢者が含まれています.高齢者には表12)に示す特徴があります.それに加えて,健康な状態と要介護状態の中間の状態を意味するフレイルや,加齢により筋肉量が減少し,筋力や身体機能が低下した状態を意味するサルコペニアは,入院・転倒・ADL障害・死亡のリスク増加,QOLの低下などに関与する3,4)とされ,患者さんの全体像を把握するうえでも押さえておきたいポイントです.基本的には「フレイルだから入院しましょう」ということはありません.つまり,肺炎で入院した患者さんも,骨折や脳梗塞で入院した患者さんも,すべての患者さんに対してフレイルやサルコペニアを評価し,予防・改善を行う必要があると言えます.また,対象者のなかにはフレイルではなく,すでに要介護状態の方も多いため,それぞれに合わせた対応が求められます.

参考文献

1)World Health Organization:THE GLOBAL HEALTH OBSERVATORY https://www.who.int/data/gho/data/indicators/indicator-details/GHO/life-expectancy-at-birth-(years)(参照2020年3月22日)
2)東京都介護職員スキルアップ研修カリキュラム検討委員会:介護職員・地域ケアガイドブック 高齢者の身体と疾患の特徴.東京都医師会.https://www.tokyo.med.or.jp/docs/chiiki_care_guidebook/035_072_chapter02.pdf(2020年7月8日閲覧).
3)Fried LP, et al:Frailty in Older Adults:Evidence for a Phenotype. J Gerontol A Biol Sci Med Sci 2001;56:M146-M156
4)Beaudart C, et al:Quality of life and physical components linked to sarcopenia:The SarcoPhAge study. Exp Gerontol 2015;69:103-110
5)若林秀隆:理学療法とリハビリテーション栄養.理学療法学2013;40:392-398
6)Wada T, et al:Depression in Japanese community-dwelling elderly--prevalence and association with ADL and QOL. Arch Gerontol Geriatr 2004;39:15-23
7)Holtta EH, et al:Apathy:prevalence, associated factors, and prognostic value among frail, older inpatients. J Am Med Dir Assoc 2012;13:541-545

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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