icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル55巻11号

2021年11月発行

文献概要

特集 パーキンソン病の最新知見と効果的な理学療法 Topics

パーキンソン病に対する脳深部刺激療法と理学療法

著者: 土山裕之1 高尾和孝1 坂井登志高1 旭雄士2 池田清延2

所属機関: 1金沢脳神経外科病院リハビリテーション部 2金沢脳神経外科病院脳神経外科

ページ範囲:P.1215 - P.1217

文献購入ページに移動
1.パーキンソン病に対する脳深部刺激療法

 パーキンソン病(Parkinson's disease:PD)は,脳内のドーパミン減少により振戦・強剛・動作緩慢・姿勢保持障害などを来す神経疾患である.PDに対し早期より内服治療が行われるが,進行期になると内服治療を行ってもウェアリングオフ現象,オン-オフ現象,ジスキネジア,腰曲がりなどの症状が出現してくる.脳深部刺激療法(deep brain stimulation:DBS)は,脳内に電極を挿入し電気刺激をすることでPDの運動症状を軽減させる治療法である.

 本邦ではPDの運動障害に対してDBSが2000年に保険適用となり,当院では2015年1月〜2021年5月までの間に進行期PD患者に対してDBSを81例に施行している.また,術前評価や刺激装置交換,刺激調整などで多数のPD患者の入院を受け入れている.PDに対するリハビリテーションは早期からの介入が必要であり1,2),DBS施行後もリハビリテーションの継続が重要である.

参考文献

1)市川 忠:早期リハビリテーションとは.林 明人(編):パーキンソン病の医学的リハビリテーション.pp 20-27,日本医事新報社,2018
2)日本定位・機能神経外科学会ガイドライン作成委員会・実行委員会:各ターゲットの比較.難波宏樹,他(監):定位・機能神経外科治療ガイドライン,第3版.pp 38-40,マイライフ社,2019
3)土山裕之,他:パーキンソン病入院患者の脳深部刺激療法前後における理学療法実施前後の問題点の考察.第21回日本臨床脳神経外科学会抄録集.p225, 2018
4)Corcos DM, et al:A two-year randomized controlled trial of progressive resistance exercise for Parkinson's disease. Mov Disord 2013;28:1230-1240
5)Asahi T, et al:Bilateral subthalamic deep brain stimulation for camptocormia associated with Parkinson's disease. Stereotact Funct Neurosurg 2011;89:173-177
6)Furusawa Y, et al:Long-term effect of repeated lidocaine injections into the external oblique for upper camptocormia in Parkinson's disease. Parkinsonism Relat Disord 2013;19:350-354
7)池田清延,旭 雄士,他:パーキンソン病患者の姿勢異常に対するリドカイン筋注療法並びに体重免荷式トレッドミルトレーニング(BWSTT)併用療法の有用性.第60回日本定位・機能神経外科学会プログラム・抄録集2020:96
8)坂井登志高,土山裕之,他:Camptocormiaを呈する脳深部刺激療法後パーキンソン病患者にリドカイン筋注と体重免荷式トレッドミルトレーニングを併用した1例.PTジャーナル2021;55:589-591
9)上利 崇,旭 雄士,他(編):メディカルチームのためのニューロモデュレーション治療完全ガイドブック—DBS・SCS・ITBの必須知識.p53,メジカルビュー社,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?