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特集 パーキンソン病の最新知見と効果的な理学療法 Topics
パーキンソン病患者に対するLSVT®プログラムの紹介
著者: 岩井隆比古1
所属機関: 1伊月病院リハビリテーション部
ページ範囲:P.1222 - P.1225
文献購入ページに移動はじめに
パーキンソン病(Parkinson's disease:PD)における運動療法は現在に至るまでさまざまなエビデンスが得られている.活動依存的な神経可塑性を活性化する運動療法の基本原理が確認され,運動療法によってPD症状の進行を遅らせ得ることが実証されたのである1〜3).
「パーキンソン病診療ガイドライン2011」においても運動療法が身体機能,健康関連QOL,筋力,バランス,歩行速度の改善に有効であることが示されている4).また改訂版にあたる「パーキンソン病治療ガイドライン2018」では有効性が報告されているエクササイズが種類に富むことが紹介されている4,5).本稿ではその多様なアプローチのなかからLSVT®(Lee Silverman Voice Treatment),特に四肢運動系に対応するLSVT®BIGについて述べる.
パーキンソン病(Parkinson's disease:PD)における運動療法は現在に至るまでさまざまなエビデンスが得られている.活動依存的な神経可塑性を活性化する運動療法の基本原理が確認され,運動療法によってPD症状の進行を遅らせ得ることが実証されたのである1〜3).
「パーキンソン病診療ガイドライン2011」においても運動療法が身体機能,健康関連QOL,筋力,バランス,歩行速度の改善に有効であることが示されている4).また改訂版にあたる「パーキンソン病治療ガイドライン2018」では有効性が報告されているエクササイズが種類に富むことが紹介されている4,5).本稿ではその多様なアプローチのなかからLSVT®(Lee Silverman Voice Treatment),特に四肢運動系に対応するLSVT®BIGについて述べる.
参考文献
1)Jeffrey A, et al:Principles of experience-dependent neural plasticity:implications for rehabilitation after brain damage. J Speech Lang Hear Res 2008;51:S225-S239
2)Ludlow CL, et al:Translating principles of neural plasticity into research on speech motor control recovery and rehabilitation. J Speech Lang Hear Res 2008;51:S240-S258
3)LSVT Global, Inc. https://www.lsvtglobal.com/IdaIndexLSVT(2021年7月13日閲覧)
4)日本神経学会(監),パーキンソン病診療ガイドライン作成委員会(編):パーキンソン病診療ガイドライン2018.pp87-88,医学書院,2018
5)Bloem BR, et al:Nonpharmacological treatments for patients with Parkinson's disease. Mov Disord 2015;30:1504-1520
6)Cynthia Fox, et al:LSVT LOUD and LSVT BIG:behavioral treatment programs for speech and body movement in Parkinson disease. Parkinsons Dis 2012;391946. doi:10.1155/2012/391946
7)Morris ME, et al:The pathogenesis of gait hypokinesia in Parkinson's disease. Brain 1994;117:1169-1181
8)石田和人,他:脳の機能回復と神経可塑性.理学療法学2013;40:535-537
9)Ebersbach G, et al:Comparative analysis of gait in Parkinson's disease, cerebellar ataxia and subcortical arteriosclerotic encephalopathy. Brain 1999;122:1349-1355
10)新潟リハビリテーション大学.LSVT.https://nur.ac.jp/lsvt/(2021年7月13日閲覧)
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