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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル55巻12号

2021年12月発行

文献概要

ひろば

理学療法の本質とアート

著者: 藤澤宏幸1

所属機関: 1東北文化学園大学医療福祉学部

ページ範囲:P.1392 - P.1392

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 神がつくれば自然(nature)であり,人間がつくればアート(art)となります.Artの語源はラテン語のars(アルス:技術)であり,腕(arm)と同源です.すなわち,人の手による創造・創作がアートということになりましょう.ベルクソンが人間の本質は創造活動にあるとし,人間をホモ・ファーベル(工作人)と言ったのは有名な話です1).それだけ,創造・創作ということが人間の活動にとって重要であると言えます.

 ところで,理学療法はサイエンスとアートの両面をもつと言われますが,サイエンスが自然の摂理を探究する学問であるのに対して,アートは人の手による創造物です.その意味で,理学療法士は科学的知見に基づきながらも,対象者一人ひとりに対する創造的な治療を大切にしていることを表しているわけです.筆者はそれを生命倫理に基づく理学療法の枠組みモデルとして捉えています.

参考文献

1)ベルクソン(著),真方敬道(訳):創造的進化.岩波書店,1979
2)奈良 勲:魔女と詩人との対話.幻冬舎,2021
3)藤澤宏幸:水のなかの学校.近代文芸社,1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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