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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル55巻2号

2021年02月発行

文献概要

連載 臨床実習サブノート 運動器疾患の術後評価のポイント—これだけは押さえておこう!・11

多発外傷

著者: 山田耕平1

所属機関: 1香川県立白鳥病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.203 - P.209

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はじめに

 多発外傷の原因は,日本外傷データバンク2019(JTDB2014-2018)年次報告1)によると,交通事故(32.3%),転倒(29.7%),墜落・転落(20.9%)の順に多く(図1),損傷部位は多部位に及びます.そのため多発外傷では外傷医が中心となり,整形外科,脳神経外科,消化器外科,麻酔科など多科が連携をとりながら医療チームが形成され,診療が行われています.理学療法士は集中治療室から多発外傷患者の治療にかかわるため,医療チームの治療戦略を理解する必要があります.

 多発外傷患者の理学療法の目的は,早期離床により,廃用による筋力低下や術後の合併症を予防し,社会復帰につなげることです.急性期に離床を妨げるさまざまな要因が存在するので,多発外傷患者の術後の評価は骨折だけではなく,全身の状況を把握することが必要になります.

参考文献

1)日本外傷データバンクレポート2019(2014-2018).https://www.jtcr-jatec.org/traumabank/dataroom/data/JTDB2019.pdf(2020年9月11日閲覧)
2)Gandhi RR, et al:Optimal timing of fracture stabilization in polytrauma patients:a practice management guideline from the Eastern Association for the Surgery of Trauma. J Trauma Acute Care Surg 2014;77:787-795
3)日本外傷学会,他(監):改訂第5版外傷初期診療ガイドラインJATEC.pp65-71,へるす出版,2016
4)Schaller SJ, et al:Early, goal-directed mobilisation in the surgical intensive care unit:a randomised controlled trial. Lancet 2016;388:1377-1388
5)日本集中治療医学会早期リハビリテーション検討委員会:集中治療における早期リハビリテーション—根拠に基づくエキスパートコンセンサス.日集中医誌2017;24:255-303
6)AO Trauma. https://aotrauma.aofoundation.org/(2020年9月11日閲覧)
7)日本外傷学会,他(監):改訂第5版外傷初期診療ガイドラインJATEC.p178,へるす出版,2016
8)東 努,他:コンパートメント症候群の臨床的検討.整外と災外1999;48:1210-1213
9)Jackson AB, et al:Incidence of respiratory complications following spinal cord injury. Arch Phys Med Rehabil 1994;75:270-275
10)Burkhardt M, et al:Acute management and outcome of multiple trauma patients with pelvic disruptions. Crit Care 2012;16:3-11
11)Khurana B, et al:Pelvic ring fractures:what the orthopedic surgeon wants to know. Radiographics 2014;34:1317-1333

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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