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Close-up 特発性正常圧水頭症を知る
特発性正常圧水頭症の症候に対する効果的な理学療法
著者: 森口八郎1 淺野葵1 石川正恒23 山田茂樹24
所属機関: 1洛和会音羽病院リハビリテーション部 2洛和会音羽病院脳神経外科/正常圧水頭症センター 3洛和ヴィライリオス 4滋賀医科大学脳神経外科学講座
ページ範囲:P.312 - P.314
文献購入ページに移動特発性正常圧水頭症(idiopathic normal pressure hydrocephalus:iNPH)の歩行障害は,ふらつきの自覚から始まることが多く,すり足,小刻み歩行,開脚歩行,すくみ足などの特徴的な歩容を呈し,転倒しやすくなることが知られている.また,これらの歩行障害は発症初期から出現するバランス障害と,失行性・失調性とも呼ばれる運動障害が互いに関係している.歩行障害が進行して,あまり歩かなくなり,下肢の筋力低下が増悪してから診断されて,手術を受ける患者も少なくない.下肢筋力低下を伴う重症の歩行障害を有する患者は,術後短期間で退院しても歩行に介助が必要であり,在宅生活が困難となることが予想される.
そのため,理学療法を実施する際には,患者個々の病的歩容,バランス障害,下肢筋力低下の重症度を評価したうえで,患者の障害に合わせた課題指向型トレーニングが有効と考えている.シャント術後の課題指向型トレーニングでは,術後の状態に留意しながらも,早期から積極的に患者の歩行障害に合わせた課題の反復練習をできるだけ多く実施して課題を克服する.反復回数が多ければ多いほど課題を習得しやすい.
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