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連載 再考します 臨床の素朴な疑問・第5回
「過剰努力」の「過剰」とはどの程度?
著者: 潮見泰藏1
所属機関: 1帝京科学大学医療科学部東京理学療法学科
ページ範囲:P.576 - P.577
文献購入ページに移動「過剰」とは?
ある運動が「適度」であるか否かは個人によって異なるのと同様,運動が「過剰」であるか否かの判断もまた,その程度は異なり,一律に決まるものではない.そして「過剰努力」という場合,ある課題に対する個人の努力量の程度が問題となるが,別の言葉で言い換えるならば,「最大努力」ということになるかもしれない.
いずれにせよ,この用語はあくまで観察者の主観によるもので,その判断は容易ではなく,明確な基準や定義も存在しない.これはいわゆる「暗黙知(経験知)」,すなわち私たちが経験的に使っているものの,容易に説明のできない知識と言える.これを客観的に判定しようとすれば,事後的に生理的指標(血圧,心拍数)や主観的運動強度(ratings of perceived exertion:RPE),修正Borg scaleなどをもとに行うことになる.
ある運動が「適度」であるか否かは個人によって異なるのと同様,運動が「過剰」であるか否かの判断もまた,その程度は異なり,一律に決まるものではない.そして「過剰努力」という場合,ある課題に対する個人の努力量の程度が問題となるが,別の言葉で言い換えるならば,「最大努力」ということになるかもしれない.
いずれにせよ,この用語はあくまで観察者の主観によるもので,その判断は容易ではなく,明確な基準や定義も存在しない.これはいわゆる「暗黙知(経験知)」,すなわち私たちが経験的に使っているものの,容易に説明のできない知識と言える.これを客観的に判定しようとすれば,事後的に生理的指標(血圧,心拍数)や主観的運動強度(ratings of perceived exertion:RPE),修正Borg scaleなどをもとに行うことになる.
参考文献
1)根本明宜:筋緊張異常とリハビリテーション.Jpn J Rehabil Med 2020;57:1060-1076
2)Alaverdashvili M, et al:“Learned baduse” limits recovery of skilled reaching for food after forelimb motor cortex stroke in rats:a new analysis of the effect of gestures on success. Behavioural Brain Research 2008;188:281-290
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