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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル55巻7号

2021年07月発行

文献概要

ひろば

理学療法学教育と教養の再考

著者: 中村壮大1 奈良勲2

所属機関: 1こころ訪問看護ステーション 2広島大学

ページ範囲:P.821 - P.821

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 1963年に理学療法士・作業療法士の養成校は,現厚生労働省管轄下により各種学校から専修学校の体制をとり,その後,現文部科学省による3年制医療技術短期大学部に始まり4年制大学体制になり今日に至っている.当初のカリキュラムは専門教育に偏重していたこともあり,最初に設立された国立療養所東京病院附属リハビリテーション学院における学園紛争の火種は,教養教育の充実化を図る要望であった(1969年).当初のカリキュラムの50%ほどは臨床実習で占められ,有資格理学療法士は存在していないため,外国人理学療法士教員によって米国軍病院,整肢療護園,国立身体障害者リハビリテーションセンターなどで実施されていた1)

 教養教育については,その重要性が提唱されているにもかかわらず,専門教育や資格取得のための教育に比重が置かれる傾向は現在も是正されていないと考える.さらに大学設置基準の簡略化として改正された「大学設置基準の大網化(1991年)」は,一般教育と専門教育を有機的に統合するとの観点により,結果的に教養学部の解体を招いたと言われている.

参考文献

1)黒川幸雄,他:理学療法学教育.奈良 勲,他(編著):理学療法概論,第7版.pp11-24,医歯薬出版,2019
2)絹川正吉:大学教育の思想.東信堂,2006
3)ライヒW(著),片桐ユズル(訳):きけ小人物よ! 太平出版,1970

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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